タイ政府は4月23日、延期を決めたばかりの経済刺激策「コンラクルン・プラス」を改名・再設計し、「タイ助けタイ+」として5月に登録を始めると発表した。国民への補助比率を政府60%・国民40%に引き上げ、6月1日から利用を開始する。
発表したのはパラドン・プリッサナーナンタクン首相府担当相。「タイ助けタイ+」は旧コンラクルン(半額補助)の延長線上にあるスキームだが、負担比率を政府6:国民4に変更し、1人あたり2,000バーツ以上の給付枠が提示された。対象人数は予算配分に応じて2,000万〜3,000万人となる見込みだ。
登録は5月中に開始し、入金および利用開始は6月1日を予定する。支給方式については一括交付か4カ月の分割かを検討中という。参加条件はタイ国籍のID保有者で、登録日時点で満18歳以上。福祉カード保有者については一部で例外が設けられる可能性があり、旧制度の参加者も改めて登録する必要がある。
パラドン氏は財源について、2569年度中央予算の活用と、6月に閣議入りを見込む予算移転法の双方を視野に入れていると説明。政府の財政状況については「国庫は枯渇しておらず通常の支出が可能」と強調し、中央予算には依然として200億バーツ規模の残余があるとした。
今回の発表は、エカニット財務次官が4月20日に打ち出した「4月21日の閣議に間に合わないため10月に延期する」との方針からわずか3日での方針転換となる。負担比率も50対50から60対40に変わり、国民側の支出を抑える設計に組み直された。
コンラクルンは、タイ政府がコロナ禍以降に繰り返し打ち出してきた半額補助の代表格で、店頭での決済金額の一部を政府が肩代わりする仕組み。タイ人にとっては生活防衛と小売経済の下支えを兼ねた定番政策になっている。今回の改定版でも店頭決済をベースとし、現金配布ではなく使途を消費に限定する構造が踏襲される見込みだ。
本制度の対象はタイ国籍保有者に限られるため、在タイ日本人や旅行者は直接利用できない。ただし2,000万〜3,000万人規模の給付が実施されれば、国内消費の動きに影響が広がる可能性はある。