タイ政府系の学生ローン機関「学生ローン基金(GSLF)」が、2569年度(2026年度)の教育ローンを開始した。予算枠は480億バーツで、対象は国内約78万人。貧困家庭や国家重点分野の学生を優先する設計だ。
融資枠の主な対象は、家庭収入が年36万バーツ以下の学生。国家福祉カード保有者や、教育平等基金から奨学金を受けた経験がある学生も対象となる。
2569年度の目玉となるのは、国家発展に直結する分野の優先支援。具体的には医療、工学、人工知能(AI)の3領域に在籍する学生が重点枠として扱われる。深刻な人手不足が指摘される医療系人材や、タイ政府がデジタル経済政策で重視するAI技術者を、学費面から後押しする狙いがある。
新規借り入れ希望者には今年から事前審査プロセスが追加された。保護者または配偶者が電子身分証アプリ「ThaID」で本人確認を行い、政府系アプリから信用情報を取得・提出する必要がある。家計状況の偽装や二重申請を弾く仕組みだ。
新規借り入れと既存借り入れの区分も明確化された。新規として扱われるのは、過去に一度も借りたことがない学生か、学歴レベル・在籍機関を変更した学生のみ。ローン申請の種類によって必要書類や審査手順が異なる。
学生ローン基金はタイ政府が運用する最大の教育金融プログラムで、毎年数百億バーツ規模の融資を学生に提供している。タイでは私立大学の学費が年10万バーツを超える学部も多く、在タイの日本人子育て世帯や留学を検討する家庭にとっても、タイの教育金融の動向は学費設計に関わる情報となる。


