タイ石油基金委員会(กบน.)は4月23日、ディーゼル燃料の小売価格を4月24日から1リットルあたり1.50バーツ引き下げ、40.20バーツにすると決定した。ガソリンは据え置きとなる。直近1週間のうちで3度目の値下げで、4月17日と比べると約4バーツ安い水準にまで下がる。
小売価格を動かす仕組みは、石油基金の補助金を通じた調整だ。B7の場合、基金からの補助額を1リットル0.09バーツ減らして2.23バーツとした上で、精製費引下げの効果が消費者に届く設計となっている。B20も同様に小売価格が1.50バーツ下がり、補助金は0.29バーツ減の1.09バーツに調整された。
タイのディーゼル小売価格は直近1週間で下降を続けている。4月17日にกบน.が1.50バーツ値下げを決めて42.90バーツに、21日には1.20バーツ引き下げて41.70バーツとなり、24日の今回1.50バーツ下げで40.20バーツに達する見通しだ。3回で通算4.20バーツ安くなった計算になる。
値下げの背景には、国際原油価格の落ち着きとタイ政府の政策意思がある。同委員会の資料によると、23日時点の世界市場のディーゼル価格は1バレル約171米ドル、ガソリンは約131米ドルで推移している。イラン戦争の影響で一時200米ドル台を超えていた水準からは後退したが、依然として平時より高い相場だ。
上流側では、4月23日にエネルギー政策委員会(กบง.)が精製費を累計5バーツ引き下げる措置を決めている。今回のกบน.による小売1.50バーツ下げは、この精製費5バーツ削減と石油基金補助金の調整を組み合わせて実現した値だ。5月9日以降は精製費がさらに3バーツ引き下げられる予定で、小売価格もさらなる値下がりが見込まれている。
タイ駐在の日本人にとっても無関係な話ではない。Grab、Bolt、タクシー、配送業者、トラック輸送などディーゼル車中心の物流コストが下がれば、食料品や宅配料金の上昇圧力が和らぐ効果が期待できる。石油基金は赤字を抱えたまま200億バーツの借入枠でしのいでおり、値下げはあくまで時限措置だ。国際原油相場が再び急騰すれば巻き戻されるシナリオも残る。給油所掲示板の40.20バーツは、1週間続いた値下げウィークの到達点と考えてよい。