コラート(ナコンラチャシマー県)で発覚した「幻の出生証明」事件は4月25日、ナコンラチャシマー署長のシリチャイ・シーチャイパンヤー警察大佐が告発を受理した旨を発表し、捜査の本格段階に進んだ。来週には関係者の尋問が始まる予定で、出生登録の偽造に関与した公務員と中国人受益者の特定が焦点となる。
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事件の発端は、ポーグラン町(アムプー・ムアン・ナコンラチャシマー)のキティポン・ポンスラウェート町長(博士)が同町役場の戸籍係職員に対して告発したことに始まる。タイ内務省地方行政局がポーグラン町の戸籍登録に異常があることを指摘して立ち入り検査した結果、外国人(主に中国系の通称ジーン・タオと呼ばれる層)に虚偽の出生証明書を発行する組織的な犯罪が発覚した。
確認された不正登録は少なくとも27件で、ほぼ全員が中国人とされる。各登録に対して関与した役所職員が1万バーツ単位の謝礼を要求していた点が、利得授受の構造を浮き彫りにする。出生証明書はタイ国籍取得の根拠書類となるため、国籍ロンダリングの初期段階を司る重要書類だ。
ポーグラン町長は4月24日に1人の役所職員を告発したが、27件の偽出生証明書のリストや関連書類はまだ捜査員に提出されていない。書類の引き渡しが来週の尋問で行われる見通しで、これによって関与人数と犯罪規模が確定する。
中国系外国人を巡るタイ国内の不正登録は、過去数年で複数の県で摘発されており、今回のコラートの27件は規模としても看過できない数字である。タイ警察犯罪取締局や入国管理局も合同捜査に加わる可能性があり、捜査の出口は刑事訴追にとどまらず外国人組織犯罪の解明と国籍取り消しに及ぶ。
在タイ日本人の生活に直接の影響はないものの、タイの戸籍制度の信頼性に関わる事案として、長期ビザ・配偶者ビザ等で身分関連の手続きを行う日本人にも参考材料となる。地方役所の戸籍課が買収された一連の実態は、タイの公務員監察制度がどこまで機能するかを試す試金石でもある。




