日本の国土交通省は4月24日、国内発着の全ての旅客便でパワーバンク(モバイルバッテリー)の使用と機内での充電を全面的に禁止する新しい規則を施行した。違反した乗客には最大2年の懲役、または最大100万円(約20万バーツ)の罰金が科される。タイから日本への旅行者、在タイ日本人の本帰国・一時帰国フライトでも適用される。
新規則の骨子は三つ。まず、パワーバンクで他の電子機器を充電することが禁止された。次に、パワーバンク自体を機内の電源で充電することも不可。さらに、機内に持ち込めるパワーバンクは1人あたり最大2個、各々の容量は160Wh以下に制限される。いずれも手荷物扱いのみで、預け入れ荷物には入れられない。
国際民間航空機関(ICAO)は2026年3月に安全基準の緊急改訂を承認した。近年機内でリチウムイオン電池由来の発火・発煙事案が増加していることを受けた措置で、日本はこの基準に沿った国内ルールを新設した。同様の方向性を示す国はシンガポール、韓国、マレーシアなどアジア各国に広がりつつある。
タイ国内でも発火事案は相次いでいる。2026年4月8日未明、ナコンラチャシマー(コラート)市内のコンドミニアム6階で、23歳女性が購入したばかりのパワーバンクを充電中に火花と煙が噴出し、火災に発展する事故が発生した。4月10日にはブリラム県でも停電が続く古い木造家屋に放置された古いパワーバンクが酷暑で爆発炎上し、家屋1棟が全焼している。
実務的には、機内でスマートフォンの充電が不足しそうな場合はパワーバンクに頼らず、座席のUSBポート(対応便のみ)を使うしかない。搭乗前にスマートフォン本体とパワーバンク両方を100%に充電しておき、機内ではパワーバンクをバッグに入れたまま触らないのが安全な運用となる。
3本以上持ち込んで没収や罰金、場合によっては搭乗拒否となる可能性もあるため、預け荷物側に分散したくなるところだが、それも規則違反になる。日本行き出発の前に1人あたり2個に絞り、本体のWh表記を確認しておく準備が必要だ。