バンコク市内のラチャプルック通り立体交差付近で4月24日朝、ユーカリ材を満載した10トントラックがブレーキ故障と運転手の薬物使用により暴走し、バイク・自動車数台に次々と衝突して住民1人が死亡、複数人が負傷する事故が発生した。運転手には違法薬物ヤーバーの使用反応(俗称「尿紫」)が検出され、過失・危険運転など複数の重い罪状で立件される。
事故車両はイスズの緑・白の10トントラック(プラチンブリー県ナンバー77-4400)で、ユーカリの木材を満載していた。発生現場はバンコク市パッシーチャルーン区パックロンパッシーチャルーン地区、スワン・リアプ・インターチェンジ付近のラチャプルック通り、BTSシーロム線バンワー駅の近く。
運転手はジャンピー氏(67歳)。調べに対し、カランパプルック通りから右折してラチャプルック通り出口ランプへ入り、ペッカセム通り方面へ抜けようとしていたと供述した。雨天で路面が濡れた区間に差しかかったところでブレーキが効かなくなり、エアブレーキシステムの空気圧もなくなって制御不能に陥った。
「ブレーキを踏んでも全く止まらない。木材が満載で総重量が数トンあったため、エンジンを切ったが、立体交差の下り坂に入ったため、かえって加速してしまった」とジャンピー氏は説明した。ペッカセム通りへの登りに差し掛かる直前でバイクに追突し、そのまま前走の自動車を連続的に巻き込んだ。
事故の結果、現場で1人が死亡、多数が負傷した。運転手自身も負傷し、スクサワット病院に搬送された。退院後に警察の事情聴取を受ける予定だが、捜査の過程で尿検査を行った結果、「尿紫」と呼ばれるヤーバー(メタンフェタミン)使用反応の陽性が確認された。
警察はジャンピー氏に対し、「他人に危険を及ぼす過失または無謀な運転」「他人に傷害を与える運転」「他人に重傷を与える運転」など複数の容疑を適用する方針。さらに薬物使用下の運転(ヤーバー陽性)が確認されたため、薬物関連の罪状も併合される見通しで、単純な交通事故から重い刑事事件へ発展している。
タイでは木材・砂利・コンクリートを運ぶ大型トラックの事故が年間を通じて頻発している。ブレーキシステムの保守不足、過積載、運転手の薬物使用は常に問題視される3大要因で、取り締まりは強化されているものの根絶には至っていない。一方、雨天時の路面水膜(ハイドロプレーニング)も事故を誘発するため、乾季終盤から雨季移行期の4-5月は大型車事故が増える時期として認識されている。
バンコク市内の橋やインターチェンジを日常的に通る在タイ日本人ドライバー・バイク利用者にとっては、大型車の挙動を常に意識することが身を守る最低条件になる。とくに下り坂区間では後方の大型車との距離を十分にとり、雨天時には車線変更を控える判断がリスク低減につながる。