タイ北部チェンマイ空港で4月24日午前、中国雲南省の昆明と四川省の重慶を巡る6日間ツアーを「販売した」と主張するタイ人ツアー業者が、航空券を用意していなかったとして告発・検挙された事件が発覚した。被害者は隣県チェンラーイから来た31人で、4月24日から29日の日程で出発予定だった。観光事業法に基づく無許可営業容疑で立件される。
発表はチャトゥロン・パッキーワニッ観光事業局長。観光事業者・ガイド登録事務所(北部支局)から「31人のタイ人観光客がチェンマイ空港の観光警察ブースに駆け込んで被害を届け出た」と通報があり、同支局と観光警察の合同で調査に動いた。
被害者たちは、チェンマイ空港から昆明・重慶への航空券と現地での観光プログラムを含む「6日間ツアー」を事前に購入していた。日程は2026年4月24日から29日まで。出発当日にチェンマイ空港のカウンターに向かったものの、該当する航空券の予約がシステム上にまったく存在せず、出国できない状況が判明した。
ツアーの購入手続き書類と送金記録を確認した結果、販売者として「A女史(仮名)」または「A有限会社(仮名)」の名前が記載されていた。観光事業者・ガイド登録事務所のデータベースを調べたところ、同名の個人・法人は観光業許可を一度も取得しておらず、法令上の営業許可なしにツアーを販売していたことが裏付けられた。
現行犯として立件されたのは、観光事業・ガイド事業法(2551年/2008年制定)第15条違反、同第80条との併合適用となる。タイでは旅行商品の販売に営業許可証が必須で、違反者には罰金・懲役刑が科される。観光客が安心して国内外の旅行商品を購入できるよう、登録制度が整備されている。
被害者31人への対応としては、支払い済みツアー代金の返金交渉が警察と観光事業局の仲介で進められる見通し。出発予定だった海外の宿泊・現地ガイド・食事・観光入場料などの多重的な支払いも発生しているため、返金手続きは複雑化する可能性がある。
タイの観光業法違反事件は、国内外の観光客がパッケージツアーを購入する際の典型的なリスクとして繰り返し発生している。正規業者かどうかの確認は、タイ観光事業局の公式サイト(www.dot.go.th)で業者名・ライセンス番号を照会することで可能。事前のチェックが最大の防御策となる。
在タイ日本人・訪タイ日本人にとっても、タイ発ツアーを購入する際は同様の注意が必要。特にタイから中国・ベトナム・ラオス・カンボジアなど近隣国への格安パッケージツアーは、正規価格より著しく安い条件がある場合は慎重に業者を精査すべきだ。クレジットカード決済を選べば、万一の際にチャージバック手続きが使える点も覚えておきたい。