バンコク都知事のチャッチャート・シティパン(Chadchart Sittipunt)氏が、任期満了を翌月に控えた2026年4月24日、再選を目指して2期目に出馬することを正式に表明した。前回同様、政党に属さない無所属候補として立候補する方針で、6月28日に投票が行われるバンコク都知事選に向けて選挙戦が本格化する。
チャッチャート氏は2022年5月の前回選挙で、138万票を超える得票で圧勝した学者出身の政治家。都知事としての4年の任期は2026年5月21日で満了する予定で、すでに後半任期中から2期目出馬の可能性が取り沙汰されてきた。過去数カ月は「総選挙後の政治環境を見てから判断する」と明言を避けてきたが、任期満了の直前となる今回、公式に意思を示した形だ。
無所属での再選出馬を選んだ理由について、チャッチャート氏は「政党に属さないほうが、すべての市民・団体と党派対立なく柔軟に協働できる」と説明している。前回選挙でも同じ理由で独立候補として出馬し、当時の主要政党候補を大差で破って都知事となった経緯がある。
2026年のバンコク都知事選は、候補者登録が5月28日から6月1日まで、投票が6月28日と決まっている。チャッチャート氏は引き続き「巡回する都知事」プログラム、透明性向上による反汚職政策、コミュニティ訪問による市民の生活課題解決などを掲げて戦う見通しだ。
対抗馬については、前回総選挙でバンコクで大きく勢力を伸ばした「人民党(People's Party、PP、旧進歩党の系譜)」が擁立候補を準備中と報じられている。PP副党首のシリカンヤ・タンサクル氏は、ソンクラン休暇後に候補者名を公表する構えを見せている。ただし政治アナリストの間では、138万票の現職に対して有力な対抗馬を見つけるのは容易ではないとの見方も強い。
一方、ブーミチャイタイ党(アヌティン首相の党)は党総会で「バンコク都知事選に独自候補を擁立しない」方針を決めており、与党系列はチャッチャート氏との直接対決を避ける構図となった。他の既存政党からの有力候補も現時点では不在で、戦いは「無所属チャッチャート氏 対 人民党候補」を軸に展開する見通しだ。
在タイ日本人コミュニティにとっても、バンコク都知事の動向は生活インフラ・治安・環境政策に直接関わる重要事項。現職の再選となれば「巡回する都知事」体制やデジタル行政の継続性が確保され、交通渋滞対策・排水改善・ごみ問題などの継続施策に予測可能性が生まれる。一方で新候補の勝利となれば、政策の方向性が変わる可能性もあり、外国人コミュニティを含む都民の関心も高まりそうだ。