沖縄と東南アジアを結ぶ路線を1年もたずに撤収する動きとなった。格安航空タイ・エアアジア(Thai AirAsia、FD)が、沖縄/那覇から香港経由でバンコク/ドンムアン空港に向かう路線を、2026年5月6日の運航を最後に長期運休すると発表した。運休期間は2027年3月27日までの約11ヶ月に及ぶ。
当該路線は那覇発「FD519便」(17:40発→19:20香港着)と香港発「FD518便」(12:55発→16:40那覇着)による1日1往復で、機材はエアバスA320型機。2025年6月1日に就航したばかりで、1年に満たないタイミングでの一時撤退となる。
タイ・エアアジアにとってこの路線は、「香港経由で以遠権を活用した初の海外路線」という位置付けだった。日本の地方空港発で海外を経由してさらに先の外国に繋ぐ運航形態で、沖縄〜香港の直行需要と、沖縄〜バンコクをスルー乗継で利用する観光客・出張客の双方を取り込む戦略的フィーダー便として期待されていた。
運休の背景について公式声明では明示されていないものの、航空業界では中東情勢に端を発するジェット燃料高騰と需要変動が続き、LCC各社は採算の取れない遠距離・多区間路線の再評価を迫られている。タイ・エアアジアも短距離の主要幹線や安定需要路線に体制を絞る方向とみられる。
代替手段として、那覇〜香港区間は香港エクスプレス航空(UO)と香港航空(HX)が運航を継続。香港〜バンコク区間はキャセイパシフィック、タイ国際航空、タイ・エアアジアX、スクートなど複数社が引き続き飛ばしているため、乗継ぎ条件次第で代替経路は確保できる。ただし「1予約・1荷物スルー」で沖縄〜バンコクを結ぶ選択肢は、FD路線の運休で一旦消える形だ。
日本-タイ路線全体では、5月からタイ国際航空(TG)の名古屋〜バンコク便減便、JAL・ANAの燃油サーチャージ引き上げなどの動きが続いており、航空会社側のコスト構造と供給調整は当面続く見通し。在タイ日本人や沖縄発の観光客は、予約済みチケットの振替や払い戻し対応について、購入元やタイ・エアアジアのカスタマーサポートへの確認が必要となる。
実質1年近い空白期間は那覇空港の国際線ネットワークにとって痛手で、観光需要の回復局面と路線再開時期のかみ合わせが焦点となる。沖縄発のタイ直行便は現時点で定期便が存在せず、香港・台北・ソウル経由などの乗継ぎでタイに入るのが基本線となる。