タイ信用保証公社(TCG/บสย.)は、エネルギー危機の影響を受ける中小零細企業(SMEs)を支援するため、100億バーツ(約4,000億円)規模の信用保証枠を準備していることを明らかにした。対象は銀行融資へのアクセスが困難な「脆弱層」に分類される小規模事業者である。
タイではディーゼル価格が1リットル50バーツを突破し、救急ボランティアが燃料代を理由に出動を停止するなど、エネルギーコストの高騰が社会全体を圧迫している。とりわけ資金力の乏しい零細事業者にとって、運転資金の確保は喫緊の課題となっている。
TCGの信用保証は、担保や信用力が不足する事業者が銀行融資を受ける際に公社が返済を保証する仕組みである。事業者自身が直接融資を受けるのではなく、金融機関の貸し倒れリスクを公社が引き受けることで、融資の実行を後押しする。
今回の措置は、石油基金の赤字が590億バーツに拡大する中で、政府が打ち出す総合的な経済対策の一環と位置づけられる。タイ中銀もGDP見通しを1.3〜1.7%に下方修正しており、中小企業の連鎖倒産を防ぐセーフティネットの構築が急務となっている。
エネルギー価格の先行きは中東情勢に大きく左右される。ホルムズ海峡でのタンカー通過が再停止されるなど不透明感が続く中、TCGの保証枠が実際にどれだけの事業者を救えるか、その運用の迅速さが問われることになる。
