中国・上汽通用五菱(ウーリン)がタイ市場向けに商用電気バン「WULING Porta EV」を投入した。積載量1.2トン、航続距離400kmを実現し、燃料高騰に苦しむタイの物流業界に新たな選択肢を提示する。
最大の訴求ポイントは輸送コストの低さである。1キロメートルあたりわずか56サタン(約0.56バーツ)で走行できるとされ、ディーゼル車と比較して大幅なコスト削減が見込める。現在タイではディーゼル価格がリットルあたり50バーツを突破しており、中小の運送事業者にとって燃料費の負担は深刻な経営課題となっている。
Porta EVは都市部のラストワンマイル配送から中距離の拠点間輸送まで幅広い用途を想定している。400kmの航続距離は日帰り配送であれば十分な数値であり、バンコク近郊の物流拠点を起点とした運用に適している。
タイ政府はEV普及を成長戦略の柱に据えており、乗用車だけでなく商用車の電動化にも税制優遇を拡大してきた。ウーリンはすでに小型EVの「Air ev」でタイ市場に参入しており、今回の商用モデル投入で製品ラインナップの幅を広げた形である。
ジェット燃料の高騰でLCC各社が路線を運休するなど、エネルギーコストの上昇がタイの輸送業界全体を揺るがすなか、商用EVへの関心は今後さらに高まりそうである。
