ホンダがタイ市場向けに3列ミニバン「ステップワゴン(Step WGN)e:HEV Spada」を、日本から完全輸入(CBU)の形で正規導入することが2026年5月25日付のタイ自動車専門誌Headlight Magazineで明らかになった。価格は178万バーツ(約820万円)。2.0L直噴アトキンソンサイクル4気筒ガソリンエンジンに、ホンダ独自のe:HEV(二モーター式ハイブリッド)を組み合わせ、システム合計出力184馬力・最大トルク315Nmを発揮する。タイ市場ではトヨタ・ヴォクシー/ノアなどの3列ミニバンと競合する位置付けで、ハイブリッドシステムには5年・走行距離無制限の保証、駆動用電池には10年・走行距離無制限の保証が付く。タイでの正規輸入販売は、3列シートを必要とする多人数家族や送迎需要を持つ駐在員世帯にも視野に入る価格設定となった。
価格は178万バーツのSpada仕様、日本から完全輸入
タイで販売されるのはステップワゴンの中でもスポーティな上位グレード「e:HEV Spada」で、価格は178万バーツに設定された。日本円換算で約820万円と、日本市場価格より高めだが、CBU(完全輸入)で輸入関税と物品税が上乗せされる事情を考えれば妥当な範囲。タイは原則として自動車に高い輸入関税が課されるため、現地生産モデルとCBUモデルでは価格差が大きくなる傾向がある。
2.0L直噴+e:HEVで184馬力・315Nm
パワートレインは2.0L(1,993cc)直噴アトキンソンサイクル4気筒ガソリンエンジンを発電に振り、AC同期式の発電用モーターと駆動用モーターを使ってリチウムイオン電池を介して動かす、ホンダ独自の「e:HEV」二モーター式ハイブリッド。
エンジン単体出力は141馬力(6,000回転)・182Nm(4,500回転)。一方、システム全体での合計出力は184馬力(5,000-6,000回転)・315Nm(0-2,000回転)に達する。トルクは発進直後から最大値を出す電動車らしい特性で、3列フル乗車でも余裕のある走りが期待できる。
燃料タンクは52Lで、タイで普及するE20ガソホール(エタノール混合燃料)に対応する。
全長4,829mm、3列シートで60:40可倒、電動スライドドア+プラズマクラスター
ボディサイズは全長4,829mm、全幅1,752mm、全高1,840mm、ホイールベース2,882mm、地上高144mm、回転半径5.4m。タイの都市部でも取り回しを意識した寸法に収まっている。
3列シート構成で、3列目は60:40分割可倒式。8個のカップホルダー、電動スライドドア、3ゾーン式オートエアコン、プラズマクラスター搭載空気清浄機など、ミニバンらしい装備を盛り込んだ。
標準装備はHonda SENSING、6エアバッグ、レーンキープ等
安全装備はホンダの先進運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備。
具体的にはオートハイビーム、レーンキープアシスト(LKAS)、衝突軽減ブレーキ(CMBS)、アダプティブクルーズコントロール、6エアバッグ、ABS/EBD、後席リマインダー警告など、現行の日本仕様と同等の装備が用意されている。
ハイブリッドシステム5年・電池10年の長期保証
ハイブリッドモデルにつきものの「電池の寿命と交換コストへの不安」に応える形で、e:HEVシステム全体に5年・走行距離無制限の保証、駆動用バッテリーに10年・走行距離無制限の保証が設定された。タイ市場で電気駆動系の車を購入する際の心理的ハードルを下げる狙いがある。
タイのミニバン市場、トヨタ・ヴォクシー/ノアと競合
タイ市場ではトヨタが「ヴォクシー」「ノア」をCBUで導入しており、ホンダのステップワゴンe:HEV Spadaはこの直接ライバルとなる。3列シートで多人数を乗せられ、ハイブリッドで燃費・税制面のメリットを取れる選択肢として、家族世代・送迎用途・在タイ日本人駐在員世帯への訴求が想定される。一方、タイ国内での販売台数は、CBU価格と高関税の影響で限定的になる見通し。販売開始の正式な日付や、認可ディーラー網については今後の発表を待つことになる。



