ホンダ・タイは2026年5月22日、Honda City Minorchange 2026 のタイ仕様を公式発表し、同日から正式予約の受付を開始した。ボディタイプは4ドアセダンと5ドアハッチバックの2種類、エンジンは1.0L 3気筒ターボ(122馬力、173Nm、CVT)と1.5Lアトキンソンサイクル+デュアルモーターのe:HEVハイブリッド(合計109馬力、0-100km/h 9.4秒)の2系統。グレード構成はTURBO S(ガソリン)+e:HEV V(新設)+e:HEV SV+e:HEV RSの計4グレード以上で、価格は今後の発表予定。予約客には5,000バーツ分のガソリンカードプレゼント特典付きで、予約期間は5月22日から8月までの公式キャンペーンとなる。前報の「5月22日インド発表→タイ続報待ち」シリーズの完結版。
1.0L 3気筒ターボの中身
ガソリンエンジン仕様のTURBO S グレードは、1.0L 3気筒ターボエンジンを搭載する。
エンジン性能の主要スペックを整理すると、エンジン形式は1.0L 3気筒インライン+ターボチャージャー、最高出力は122馬力、最大トルクは173Nm、トランスミッションはCVT(無段変速機)、駆動方式はFF(前輪駆動)となる。
122馬力という出力は、コンパクトセダン/ハッチバッククラスの中でも十分なパワー。タイ市場で競合するトヨタ・ヤリス(1.2L 92馬力)、マツダ2(1.3L 91馬力)などと比較して、ホンダの3気筒ターボは小排気量+高出力の効率重視設計が特徴。
e:HEV 1.5L Full Hybridの強み
もう一つの主力はe:HEV(ホンダ独自のハイブリッドシステム)を採用したラインナップで、1.5Lアトキンソンサイクルエンジンとデュアルモーター(発電+駆動)の組み合わせ。
e:HEV システムの主要スペックは、エンジンが1.5Lアトキンソンサイクル(高効率燃焼)、デュアルモーター駆動(発電モーター+駆動モーター)、合計出力109馬力、0-100km/h加速9.4秒、燃費は公式値未公開だがリッター30km/L級と推測される。
ホンダのe:HEVシステムは、市街地走行ではモーター主体、高速走行ではエンジン+モーター併用、エンジン直結走行は最低限にする独自構造で、ハイブリッドの中でも特に低燃費を実現する技術として知られる。タイ市場ではすでに HR-V e:HEV、CR-V e:HEV、ZR-V e:HEVなどで実績がある。
グレード構成と特徴
Honda City Minorchange 2026 のグレードは以下のとおり。
| グレード | エンジン | 位置づけ |
|---|---|---|
| TURBO S | 1.0L 3気筒ターボ | ガソリン版主力グレード |
| e:HEV V (NEW) | 1.5L e:HEV | 新設グレード、ハイブリッド入門 |
| e:HEV SV | 1.5L e:HEV | ミドルグレード |
| e:HEV RS | 1.5L e:HEV | スポーティ最上級 |
「e:HEV V」が新設グレードで、ハイブリッドの入門ラインが拡充された形。この結果、ガソリン1グレード+ハイブリッド3グレードの構成で、ハイブリッド比率を高めるタイ向けポートフォリオに移行している。
デザインと装備の進化
マイナーチェンジで、外観・内装ともに大幅な進化を遂げた。
主な変更点として、LEDヘッドライトが連結ライトバー型にデザイン刷新、フロントグリル+バンパーが新意匠、16インチ2トーンアロイホイールが採用、テールライトも新デザインに更新、ボディカラーは7色展開(一部グレード限定色含む)、内装の10インチフロート式タッチスクリーンがワイヤレスApple CarPlay/Android Autoに対応、アンビエントキャビン照明が標準化、ワイヤレス充電パッドが装備、360度カメラシステムが標準化、自動防眩バックミラーが追加、などがある。
特に360度カメラとワイヤレスApple CarPlay/Android Autoは、コンパクトクラスでは高価格帯車種にしか付かない機能で、ホンダのタイ市場での競争力を底上げする装備となる。
予約特典とキャンペーン
ホンダ・タイは正式予約開始に合わせて、購入特典キャンペーンを展開する。
主な内容として、予約期間は2026年5月22日-6月30日、購入時の特典として5,000バーツ(約2.3万円)分のガソリンカードを贈呈、予約は全国のホンダディーラー(ショールーム)で受け付け、登録手続きを経て正式契約に進む流れとなる。
予約特典の継続期間は2026年8月まで延長予定で、夏のセールス期に向けて段階的にプロモーションを強化する戦略。タイの新車市場が中国系EVの攻勢で厳しい状況の中、ホンダがコンパクトクラスで「ハイブリッド+ガソリン両方の魅力」を打ち出す形になった。
タイのコンパクトセダン市場での位置
タイのコンパクトセダン市場は、トヨタ・ヤリスATIV、マツダ2、ホンダ・シティ、スズキ・スイフトなどが競合する。
各社のコンパクトセダン市場の状況として、トヨタ・ヤリスATIVが市場リーダーで月販4,000台前後、ホンダ・シティが月販3,000-3,500台、マツダ2、スズキ・スイフトが月販500-1,000台、加えて中国系のBYD・MG・GWMなどが新規参入し急速にシェアを拡大している、という構造。
本件のCity Minorchangeは、ホンダのコンパクトセダン主力モデルの梃入れで、ハイブリッド比率の拡大+先進装備の追加でトヨタ・ヤリスATIVを再び脅かす狙い。
価格戦略の動向
価格情報は本記事の取材時点では未公開だが、予想される価格帯は前モデル比+1-5%程度の上昇で、TURBO Sが約65万-70万バーツ、e:HEV Vが約75万-80万バーツ、e:HEV RSが約88万-95万バーツの範囲とみられる。
ホンダ・タイは5月18日にすでに「City」の値下げ攻勢を発表しており(ターボ最大8.5万バーツ・ハイブリ6.5万バーツの値下げ)、これは在庫掃き出し+新型移行のための戦略的価格設定。新型発表で値段戻し+装備追加の方向に転換する形となる。
続報
正式な価格表、登録納車開始日、e:HEV RSの詳細スペック、競合(トヨタ・ヤリスATIV)の対応、初動の受注台数、年間販売目標などは今後の続報で明らかになる見通し。






