エクニティ副首相兼財務大臣は、中東情勢の悪化に伴うエネルギー危機が長期化し、原油価格の高止まりが今後1〜2年続くとの見通しを示した。世界的な供給不安が解消される見込みは当面なく、タイ国内の燃料価格にも引き続き上昇圧力がかかる状況である。
これを受けてエクニティ氏は、4月11日の閣議に運輸業界および経済的に脆弱な層を対象とした支援策を提案する方針を明らかにした。物品税の引き下げは見送られる方向だが、燃料費負担が直撃する物流・旅客輸送事業者への具体的な救済措置が盛り込まれる見通しである。
同氏はまた、世界経済がスタグフレーション(景気停滞下でのインフレ進行)に陥るリスクにも言及した。原油価格の高騰が各国の物価を押し上げる一方で景気回復の足かせとなり、タイ経済にとっても深刻な下振れ要因となりうるとの認識を示している。
タイ国内ではすでにディーゼル価格がリッター50バーツを突破し、南部の漁業や物流業に大きな打撃を与えている。チャイナート県ではバイクタクシーの9割が営業を停止するなど、末端の交通インフラにまで影響が波及しており、政府の迅速な対応が求められている状況である。
エクニティ氏は別の場でエネルギー危機を「好機」に転じる構想も打ち出しており、短期の救済と中長期の構造転換を並行して進める姿勢を見せている。閣議での議論の行方が注目される。