タイ商務省の国内商業局は10日、ディーゼル燃料がリットルあたり50バーツに達したことで、消費財の製造・流通コストが最大44.4%上昇したとの分析結果を公表した。原油価格の高騰が原材料から物流まで幅広く波及し、生活必需品への価格転嫁圧力が一気に強まっている。
同局はコスト上昇を受け、パーム油や石鹸、シャンプーなどの値上げ申請が相次いでいる状況に対し、価格引き上げの凍結を指示した。生活に直結する品目については当面の据え置きを求め、企業側と個別に協議を進めるとしている。
同時に、低所得層の生活費負担を軽減するため「トンファー(青旗)」キャンペーンと「タイ助けタイ」プログラムを全国規模で展開する方針を示した。トンファーは政府主導の低価格販売イベントで、日用品や食料品を市場価格より安く提供する仕組みである。副首相も移動販売車の拡充や肥料補助などの閣議提案を進めており、政府全体で物価抑制に動いている。
ディーゼル高騰の影響はすでに各地で顕在化しており、南部では漁業や物流の現場が悲鳴を上げている。燃料費の負担増は運送コストに直結し、最終的には食品や日用品の小売価格に跳ね返る構図である。石油基金の赤字も590億バーツまで膨張しており、補助金による価格抑制にも限界が見え始めている。
副首相は原油高が1〜2年続く可能性に言及しており、短期的な価格統制だけでなく中長期の対策が不可欠となっている。在タイ日本人にとっても食費や日用品の値上がりは家計に直結する問題であり、政府の物価対策の行方が注目される。
