タイ運輸省のサンペット副大臣が9日、ソンクラーン連休を前に主要船着き場の安全点検を行い、旅客船の運賃を値上げしない方針を明言した。燃料価格の高騰が続くなか、水上交通の利用者負担を抑える姿勢を鮮明にした格好である。
副大臣は船着き場を視察し、救命胴衣の配備状況や乗船定員の管理体制を確認した。帰省や観光で水上交通の利用が急増するソンクラーン期間中、安全基準を厳格に適用するよう関係機関に指示している。違反が発覚した場合は即座に運航停止とする厳しい措置も辞さない構えである。
運賃については、一部の渡し船がすでに自主的な値下げに踏み切ったことも明らかにされた。ディーゼル価格が50バーツを突破し物流や漁業に深刻な影響が出ているなか、旅客船事業者が利用者目線で料金を引き下げた点は注目に値する。
一方、離島方面では事情が異なる。チャーン島のフェリーは4月10日から運賃が倍増しており、路線や地域によって対応が分かれている実情がある。燃料高で離島フェリーの値上げや減便が相次いでいることも踏まえると、都市部の旅客船と離島航路では置かれた状況が大きく異なることがわかる。
ソンクラーン連休中は主要4空港で無料駐車場が開放されるほか、モーターウェイ全線が無料化されるなど、陸路・空路でも利用者支援策が打ち出されている。水上交通の運賃据え置きもこうした一連の施策の一環であり、燃料危機のなかで国民の移動を支える政府の姿勢が問われている。