バンコクのカオサン通りにあるホテルの一室で2026年4月7日午後1時ごろ、外国人男性2人の遺体が発見された。南アフリカ人男性(30歳)とラトビア人男性の2人で、部屋の床には白い粉末が散乱しており、警察が成分鑑定と死因究明を進めている。
発見の経緯
チャナソンクラム署が通報を受けて現場に急行した。ホテルはカオサン通りの路地沿いにある宿泊施設で、2人は同じ部屋を借りていた。ベッドの前の床に並ぶように横たわっており、南アフリカ人男性は黒いTシャツ・黒いズボン・黒いキャップを着用した状態だった。
白い粉末は鑑識チームが回収し、分析に送った。ワチラ病院の法医学チームが死因の特定を担当した。SNSでは「薬物の過剰摂取」説が広まったが、鑑識結果が出るまで確定はできない。
カオサン通りの治安問題
カオサン通りはバンコク最大のバックパッカー街で、プラナコーン区に位置する。安宿・バー・ナイトクラブが密集し、世界中からの旅行者が集まる。利便性と活気がある一方で、過去にも薬物絡みの事件や強盗、性的暴行などが散発的に報告されてきた。
外国人が集まる観光地での薬物関連事案は、タイの観光警察が重点的に取り組むテーマの一つだ。見知らぬ人から飲み物や食べ物、薬物を受け取ることは「ドラッグ入り飲料」による被害を招くリスクがある。タイでは向精神薬(ヤーバー等)の密売が依然として問題で、旅行者がターゲットになるケースも報告されている。
国籍の違う2人が同室で同時に死亡
南アフリカ人とラトビア人という異なる国籍の2人が同じ部屋で同時に死亡しているという状況は極めて不自然だ。粗悪な薬物の混入物による中毒死、フェンタニル等の強力な合成オピオイドによる過剰摂取の可能性などが挙げられる。
タイでは近年、フェンタニルやその類似物質の密輸が増加しており、これらは通常の医薬品や他の薬物に混入されて流通するケースがある。被害者が意図せず摂取してしまうことが多く、致死量が非常に少ないため急死に至るリスクが高い。
旅行者へのリスク
バンコクのナイトライフ・観光地を訪れる旅行者は、見知らぬ人からの飲食物の提供を断ること、飲み物をその場で注文・開封して受け取ること、体調に少しでも異変を感じたらすぐに医療機関に行くことが基本的な対策となる。
ソンクラーン(4月13〜15日)を控えた時期だっただけに、バンコクの観光エリアには多くの旅行者が集まっていた。治安当局は事件の捜査と周辺の警戒を強化した。