カンボジアとの国境地帯にあるスリン県カブチューン郡チョンチョム検問所近くのオースマット(カンボジア側の地名)地区で、タイ・カンボジア合同情報センターが4月7日、詐欺集団の拠点として使われていたスキャムセンターをメディアに公開した。タイ人記者・外国人記者60人以上が現場を取材した。
公開されたのはAからGまでのゾーンに分かれた160棟以上の施設のうちゾーンEで、詐欺作業場として使われていた区画だ。パソコンが並ぶコールセンター風のオフィスのほか、逃亡を試みた被害者やノルマを達成できなかった被害者を閉じ込めた独房と拷問部屋が存在した。電気ショックや身体的暴行のための器具も見つかった。
さらに衝撃的だったのは施設の二面性だ。「ボス」クラスの人間が使う区画には、カジノ・ジャグジー・マッサージ室・プールバーが整備されていた。詐欺の被害者や末端の「従業員」が劣悪な環境に閉じ込められている一方で、運営幹部は豪華な生活を送っていた。
オースマットはカンボジア政府の管轄外に近い「グレーゾーン」として長年放置されてきた。タイとカンボジアの両政府の合同作戦で2024〜2025年に摘発が進んだが、完全な解体には至っていない。現場公開はタイ政府がスキャム問題への取り組みを国際社会にアピールする意図もある。
タイ人・日本人・中国人・欧米人が詐欺の被害に遭ったケースが多数報告されており、「高収入の仕事」と称して現地に招かれた後に監禁されるケースも続いている。