タイ警察庁犯罪技術調査局(サイバー警察)のチャチャパントンタガーン副司令官は5月24日、5月23日深夜にFacebookで「ライブ性交」動画が配信され、削除されないまま数百万人に視聴された事案について、コンピュータ犯罪法に基づいて配信者を特定し徹底的に立件する方針を表明した。配信者がタイ人または王国内に居る関係者である場合、最大で禁固5年・罰金10万バーツ以下(またはその両方)が科される。さらに重要な警告として、Like・Shareした視聴者にも同等の刑事責任があり、刑事立件の対象になりうるとして、SNSユーザーに「投稿主と同罪になる」と警鐘を鳴らした。同警察はFacebook Thailandと連携し、コミュニティ基準が機能せずに大量視聴に至った理由も追及する考え。
5月23日深夜にFB「ライブ性交」配信、数百万視聴で削除されず
事案は5月23日深夜にFacebook上で発生した。性的行為のライブ配信動画が削除されないまま長時間流れ続け、数百万人の視聴者を集めた。SNSパトロール部隊が同日夜に動画を発見し、上司に報告。サイバー警察の犯罪技術調査・分析部(บก.ตอท.)に対し、配信URLと動画内人物の特定が指示された。動画の真贋・撮影場所・配信主体について現在も解析が進行中。
サイバー警察がコンピュータ犯罪法で立件、配信者特定中
サイバー警察の捜査チームは現在、配信URLと動画内人物のIPアドレス・通信記録の精査を進めている。配信者がタイ人またはタイ王国内に居る関係者であった場合、コンピュータ犯罪法の「猥褻情報のシステムへの持ち込み」条項に基づいて立件する方針。最高で禁固5年、罰金10万バーツ(またはその両方)が科される。「徹底的に立件し、最後まで追う」とチャチャパントンタガーン副司令官は明言した。
Like・Shareした視聴者も同等罰則の対象
今回の事案でサイバー警察が特に強調したのは、「Like・Shareした視聴者にも、投稿主と同等の刑事責任がある」という点。猥褻物の拡散に加担した行為そのものがコンピュータ犯罪法の「猥褻情報の流布」に該当し、視聴者であっても起訴対象になりうる。今回の動画は数百万Likeと数十万Shareを集めたとみられ、特定対象が広範囲に及ぶ可能性が出ている。タイのSNSユーザーには「面白半分でLike・Shareすると刑事責任を問われる」という強い警告となった。
Facebook Thailandに監視基準の機能不全を追及
サイバー警察はFacebook Thailandに対し、なぜコミュニティ基準が機能せずに猥褻動画が削除されないまま数百万人に拡散されたのかを正式に問い合わせる方針。Facebookは性的コンテンツについて自社のコミュニティ基準で即座に削除する仕組みを持っているはずだが、今回はそれが働かなかった。タイ警察は「特に性的暴行に関わる内容は原則として即削除されるべき」とし、Facebook Thailandの対応の遅れを問題視している。今後、タイにおけるSNSプラットフォームの責任分担をめぐる議論にも発展する可能性がある。
タイのSNS利用者にとっての教訓
タイ国内のSNS利用は世界トップクラスで、Facebook・LINE・TikTok・XのいずれもタイのKol(キーオピニオンリーダー)文化を支えてきた。今回のサイバー警察の警告は、SNSが完全に「私的空間」ではなく、コンピュータ犯罪法の射程に入っていることを改めて明確にした形になる。タイ在住の日本人やタイ国籍取得者がライブ配信や動画拡散に関わる場合も、Like・Shareの段階で刑事責任が発生する可能性があり、SNS上の「軽い反応」をめぐる意識転換が求められそうだ。