タイ工業連盟(FTI)が4月1日、「汚職がタイの企業の事業コストを20%押し上げている」との調査結果を公表した。首相がタイの汚職指数のASEAN最下位圏に「顔を叩かれた」と認めた直後の発表だ。
FTIの調査によると、企業が直面する汚職関連コストは3つに大別される。
- 許認可の遅延 — 工場の操業許可、輸入許可証、建設許可などの審査が不当に遅延し、「迅速化」のための非公式な支払いを求められるケース
- 検査の不透明さ — 環境・安全・税務などの各種検査で、基準の恣意的な運用や「見逃し料」の要求
- 調達プロセスの歪み — 公共事業の入札で特定業者への便宜が図られ、競争力のある企業が排除される
これらのコストは最終的に消費者価格に転嫁されるため、汚職は国民の生活費を直接押し上げている。
FTIは先に「物価8〜10%上昇、輸送費20〜25%増は不可避」と警告している。エネルギー危機によるコスト増に加え、汚職による構造的な非効率が重なり、タイの産業競争力は二重に削がれている。
GDP予測が1.2〜1.6%に引き下げられ、ディーゼルは1週間で34%急騰する中、産業界はこれ以上の負担に耐えられないと声を上げた。
タイの製造業コストの高さは、外国投資の流出先となるベトナムやインドネシアとの比較で常に議論される。汚職による20%のコスト増は、人件費の差以上に競争力を損なう要因だ。FTIは政府に対し「透明性の確保は投資環境の改善に直結する」として、具体的な反汚職措置を求めた。



