タイ工業連盟(FTI)のクリアンカイ・ティアンヌクン会長は3月30日、中東情勢の長期化に伴い、タイ国内の物価が8〜10%、輸送費が20〜25%上昇するとの見通しを示した。
同会長は、米国・イスラエルとイランの対立が長期化し拡大する傾向にあると指摘。エネルギーインフラや鉄鋼など原材料の生産拠点への攻撃が、サプライチェーン全体と経済に影響を及ぼしていると分析した。
短期的に最も深刻なのはエネルギー価格の上昇と原材料不足だ。これに伴う物価上昇は「避けられない」としつつ、国民の収入は据え置きのため、生活費の増加が重圧になるとした。特にSME(中小企業)への影響は甚大で、生活費・移動費・輸送費の上昇がほぼ全てのSMEを直撃している。
FTIの試算は原油価格がバレル150ドルの「危機的水準」に達しないという前提に基づいている。原油がさらに高騰した場合、見通しの再評価が必要になるという。
アヌティン首相は先にイランとのホルムズ海峡安全航行合意を発表したが、実際の供給安定には時間がかかるとみられる。同会長は、物価の急激な上昇を抑制しつつ、SMEへの流動性供給と雇用維持を図る政策の必要性を強調した。

