タイ空港公社(AOT)が総額3,000億バーツ(約1.5兆円)規模の空港拡張計画を発表した。スワンナプーム、ドンムアン、プーケットの主要3空港を中心に4つの大型プロジェクトを推進する。
AOTが管轄する6空港のうち、旅客数が容量に迫っている3空港が重点対象だ。スワンナプーム空港は第2ターミナルの建設が柱で、完成すればバンコクの国際線容量が大幅に増える。ドンムアン空港はLCC(格安航空会社)の増加に対応する近代化工事、プーケット空港は国際線ターミナルの拡張が計画されている。
タイは2025年に約3,500万人の外国人観光客を受け入れ、コロナ前の水準にほぼ回復した。しかし空港インフラは追いついていない。プーケット空港では出国審査の長蛇の列が問題化し、「200バーツの特別レーン疑惑」まで浮上した。
スワンナプーム空港も混雑が慢性化しており、乗り継ぎ時間に余裕がないと接続便に間に合わないケースが増えている。第2ターミナルが完成すれば、入国審査・手荷物受取の待ち時間が改善される見込みだ。
3,000億バーツの投資計画は、GDP予測が1.2〜1.6%に引き下げられ、石油基金が421億バーツの赤字を抱える中で発表された。短期的な危機にもかかわらず長期インフラ投資を進める姿勢は、タイが観光立国としての成長シナリオを捨てていないことを示している。
マイクロソフトの10億ドル投資やAgodaの本社機能強化と合わせ、バンコクをアジアのハブとして強化する一連の動きの中に位置づけられる。



