14年間タイの消費者に親しまれてきたテレビ通販「TrueShoppingチャンネル」が2026年4月に事業を終了した。運営会社のTrueGS(True General Services)が正式に終了を発表し、仕入れ先・パートナーへの債務は4月末までに100%完済すると明言した。
True Shoppingは2010年代初頭にタイ初のテレビ通販専門チャンネルとして開局し、家電・美容・健康・生活用品をテレビ画面で紹介しながら電話・オンラインで注文を受ける形態を確立した。ピーク時には深夜帯にも多くの視聴者を獲得し、当時タイ国内でまだEコマースの普及が限定的だった消費者の購買行動を変えたと評価された。
終了の背景には、タイのデジタル消費行動の急激な変化がある。2020年代に入りLazada・Shopee・TikTok Shopなどのオンラインプラットフォームが台頭し、24時間いつでも比較・購入できるECが主流となった。ライブコマース(LTショッピング)もSNSで爆発的に普及し、従来の一方向テレビ通販に対する優位性が圧倒的になった。
タイのEC市場規模は2025年に5000億バーツを超えたとされ(タイEC協会推計)、年間成長率は10〜15%前後で推移している。一方テレビ通販の市場規模は2020年代に入ってから毎年縮小しており、TrueGSの判断は市場環境の変化を素直に反映したものといえる。
日本でもジャパネットたかた(現ジャパネット)やQVC JAPANといったテレビ通販が大手として残っているが、若い世代を中心にSNSやライブコマースへのシフトが進んでいる。タイで起きていることは日本のメディア・小売業が近い将来直面するシフトの予告ともいえる。True Shoppingの終了は「第1世代テレビ通販の終焉」として記憶される出来事だ。