アヌティン・チャーンウィラクン首相は2026年3月31日、メガートーンタニー・インパクト・フォーラムで開催された「公的機関のガバナンス・透明性強化ワークショップ」で、「透明性指数(CPI)の2025年結果はまるで顔を叩かれたようだ」と述べ、タイが東南アジア・世界的にも最下位圏に沈んでいることを強く恥じる言葉を残した。
非営利国際機関トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が毎年発表する腐敗認識指数(CPI)では、タイは2025年に100点満点中36点でASEAN内最下位圏、世界順位も150位前後にとどまった(参考:日本は73点前後で20〜30位台)。政府内部でも深刻に受け止めている様子だ。
会議では内務省事務次官アラシット・サムパンラット氏、内務省傘下の地方行政促進局・地方自治体(อปท.)関係者、汚職防止・撲滅局(ป.ป.ท.)などが出席した。首相は特に内務省と地方行政組織に対して「汚職防止を緊急課題として位置づけるよう」指示した。
タイで腐敗が根深い分野として繰り返し指摘されるのは、公共調達・建設許可・土地使用権・警察・司法などだ。地方行政では入札談合、公共工事の水増し請求、リベート慣行が常態化している地域があるとされる。中央政府の方針として不正撲滅を掲げても、末端の利権構造を変えるには時間と制度的なモニタリングが必要だ。
アヌティン首相は「数字だけの問題ではなく、国際社会の投資信頼に直結する」と強調した。外国直接投資(FDI)獲得競争において、ベトナム・インドネシアなどに比べてタイのランキング低下が投資家心理に影響していると政府内でも懸念されている。腐敗指数の改善は観光業・製造業・金融業への外資誘致のためにも重要な国家課題だ。