2026年3月31日の上院本会議で、ピンヤーパット(พิญาภัทร์)上院議員が「燃料無料クーポンSMSによる詐欺」を告発した。大手ガソリンスタンドのブランド名を騙ったSMSを使い、「500バーツ」「1,000バーツ相当の燃料クーポン」が当たったと信じさせて、リンクをクリックさせて銀行口座から資金を引き出す手口だ。
手口の詳細
詐欺グループはタイのスタンドチェーン(PTT、เชลล์、PT、Bangchak など)の名前とロゴを無断で使ったSMSを送りつけた。「おめでとうございます。あなたは当社の記念キャンペーンで燃料無料クーポン500バーツを獲得しました。以下のリンクから受け取ってください」という内容で、燃料不足で困っている市民を標的にしていた。
リンクをクリックすると偽のサイトに誘導され、氏名・電話番号・銀行口座番号・PINコードの入力を求められる。入力した情報は詐欺グループに送られ、口座から不正引き出しが行われる。
ピンヤーパット議員は「燃料危機で国民が苦しんでいる時に、その苦しみを利用して騙す行為は最も卑劣な犯罪だ」と強く批難した。
被害の広がり
議員は「過去1週間だけで多数の被害報告が寄せられた」と指摘した。具体的な被害総額は公表されなかったが、燃料関連のフィッシング詐欺はその後も全国で報告が続いた。被害は数千バーツから数十万バーツまでの幅があり、高齢者が狙われやすいという傾向もある。
対策と見分け方
タイの主要ガソリンスタンドチェーンは「公式のSMSやLINEでは口座情報や暗証番号を聞くことは絶対にない」と繰り返し強調している。「クーポンが当たった」というSMSを受け取った場合は公式アプリや公式ウェブサイトから直接確認することが推奨される。
タイの詐欺被害相談は「1441」に電話するか、警察の「191」に連絡する。怪しいSMSのスクリーンショットをとって証拠として保存することも重要だ。
燃料危機と詐欺の連鎖
2026年3月の燃料危機は、詐欺グループにとって絶好の「テーマ」を提供した。「無料クーポン」「燃料支援」という言葉に敏感になっている人々の心理を悪用した詐欺が急増した。こうした「時事ネタ型フィッシング」はタイだけでなく世界共通のパターンで、大きな社会問題が起きるたびに類似の詐欺が乱立する。