経営再建を進めてきたタイ国際航空(THAI)の株に、強い売り圧力がかかっている。経営破綻後の債務を株式に振り替えた債権者が、手にした大量の株を売り始めたためで、株価は急落した。燃料価格の上昇も重なり、再建の総仕上げを前に株式市場での試練が続いている。
債権者の株式放出が下落を招く
タイ航空は、コロナ禍で経営破綻したのち、裁判所の管財下で債務を整理してきた。その過程で、債権者は貸付金の一部を新株(債務の株式化)として受け取っている。これらの株がまとまって市場に放出されると、需給が一気に崩れる。
実際、債権者が第1弾としておよそ66億株を売却した際には、タイ航空の株価が11%急落したと伝えられている。市場では「まだ序章にすぎない」との見方も出ている。
7割の株が8月にロック解除
さらに重しとなるのが、売却制限(ロックアップ)の期限である。発行済み株式のおよそ7割にあたる約198億株が、8月3日以降に売却制限を解かれる予定で、大量の株が市場に出てくる「需給の重し」への警戒が広がっている。
タイの英字メディア、タイ・エグザミナーによると、今週木曜にも5億6,500万株(約33億9,000万バーツ、約166億円)が割引価格で売り出されるとの観測も出ているという。
燃料高も逆風、再建の総仕上げへ
株式の需給に加え、足元では航空燃料の価格上昇も収益の逆風になっている。タイ航空は債務整理計画の総仕上げとして大型の増資も計画しており、株式の供給増と業績の不透明感が、当面の株価の重しになりそうだ。
タイ航空は日本路線も多く運航する、日本の旅行者にもなじみ深い航空会社である。経営の立て直しが株式市場でどう評価されるかは、今後の路線網やサービスを占ううえでも注目される。
