タイの金価格が、5月29日に大きく値上がりした。金取引業者でつくる協会が出した当日の価格は、前日の最終価格より1,450バーツ高い水準となり、前日の急落から一転して反発した。金の装飾品の小売価格は1バーツ(重量)あたり7万バーツを超え、日本円にしておよそ34万円に達している。
前日の急落から1,450バーツ反発
タイ金取引業協会が午前9時すぎに発表した価格によると、29日の金価格は前日の終値と比べて1,450バーツ上昇した。前日に大きく下げた反動で、買い戻しが入った形である。
具体的には、金地金(ゴールドバー)の小売価格が1バーツあたり6万9,550バーツ、買い取り価格が6万9,350バーツとなった。純度96.5%の装飾用の金は、小売価格が7万350バーツ、買い取りが6万7,962バーツ余りである。金相場は1日のうちに何度も改定されることがあり、これは午前の第1回発表の数字である。
タイの「バーツ」は通貨であり重さの単位でもある
タイの金取引で使われる「1バーツ」は、通貨のバーツではなく、金の重さの単位を指す。1バーツはおよそ15.2グラムにあたる。タイでは金を「何バーツ」という重さで売買するのが一般的で、ニュースで報じられる金価格も、この1バーツ(重量)あたりの値段である。
7万バーツ前後という水準は、1バーツ(重量)あたりおよそ34万円に相当する。金の装飾品は、結婚や貯蓄の手段として暮らしに根づいているだけに、価格の動きは多くの人の関心を集める。
2026年に急騰を続ける金相場
タイの金価格は、2026年に入って大きく上昇してきた。年明けからの数か月で1バーツあたり1万バーツ近く値上がりし、7万バーツを超える水準が定着しつつある。
価格の高騰は、金の楽しみ方そのものを変えつつある。装飾品は値段が上がりすぎて手が出にくくなり、買い控えが起きている。その一方で、値上がり益をねらって金地金を買う動きが強まっている。金取引業協会からは、装飾品が売れず廃業に追い込まれる金店が出かねないとの懸念も出ている。
業界では、今後さらに上昇するとの見方もある。世界の金相場が1オンスあたり6,400ドルまで上がれば、タイの金価格は1バーツあたり8万8,000バーツに達するとの予測も示されている。今回の1,450バーツの急騰は、こうした不安定で右肩上がりの相場の一場面といえる。