中国・武漢で土地収用の補償金をだまし取り、タイに逃げ込んでいた中国人グループが摘発された。だまし取った額は1億を超えるとされ、容疑者らはタイの退職者向けビザを隠れみのにして高級住宅に潜伏していたという。5月29日、タイの警察と入管当局が踏み込み、複数の中国人の身柄を確保した。
武漢での補償金詐欺からタイへ逃亡
警察によると、グループは中国・武漢で進められていた土地収用をめぐり、書類を偽造するなどして補償金をだまし取ったとされる。その額は1億を超えるという。
中国当局の追及をかわすため、メンバーはタイへ逃げ込んでいた。タイを一時的な逃避先ではなく、腰を据えた潜伏先として選んでいたとみられる。
退職者向けビザを隠れみのに高級住宅へ
潜伏にあたって使われていたのが、タイの退職者向けの長期滞在ビザだった。一定の年齢以上の外国人が取得できるこのビザを表向きの滞在理由にしつつ、実際には逃亡生活を送っていたとみられる。住まいに選ばれたのは、人目につきにくい高級住宅だった。
今回の摘発では、55歳のチェン、54歳のユエン、51歳のフェイら複数の中国人が身柄を確保された。警察はセーフハウスとなっていた住宅に踏み込み、関係者を押さえた。
警察と入管が連携して摘発
摘発は、タイの中央捜査局と入国管理の担当部門が連携して行われた。外国人が正規の手続きを装いながら不正な目的でタイに滞在するケースは後を絶たず、当局は警戒を強めている。
外国人によるビザの悪用は、タイ政府が観光客らのノービザ滞在を60日から30日へ短縮する方針を決めた理由の一つにも挙げられていた。長期滞在ビザを隠れみのにした今回のような事例は、制度のすき間を突くものであり、入管の監視のあり方が問われている。