バンコクで6月のプライド月間に合わせ、東南アジア最大級のLGBTQ+の祭典「バンコク・プライド・フェスティバル2026」が開かれた。5月31日には繁華街シーロムを舞台に、全長500メートルを超える巨大なレインボーフラッグがはためき、主催者によると市内各地に50万人を超える人々が集まった。同性婚が法制化されたタイで、多様性を祝う祭りはいっそうの盛り上がりを見せている。
500メートルの虹の旗がシーロムを染める
祭りの中心は、5月31日にシーロム通りで行われたパレードである。ナルミット・プライドがバンコク都(BMA)や市民団体、官民のパートナーと手を組み、全長500メートルを超えるレインボーフラッグを掲げた。長大な旗が大通りを進む光景は圧巻で、沿道は虹色に染まった。パレードは午後から夜にかけて約4.8キロのルートを練り歩き、シーロムやサヤーム周辺は終日にぎわった。主催者は、市内各地に50万人を超える人々が広がったとしている。
「平和・人・誇り」を掲げて
今年のフェスティバルは「Patch the World with Pride(誇りで世界を縫い合わせる)」をテーマに掲げた。平和(Peace)、人(People)、誇り(Pride)の三つを軸に、立場や背景の違う人々をつなぐという思いが込められている。パレードだけでなく、トークやパフォーマンスなど多彩な催しが組まれ、当事者だけでなく家族連れや観光客も加わって、街全体が祝祭の空気に包まれた。
同性婚の国で広がる多様性の祝祭
タイは2025年1月に同性婚を認める法律を施行し、東南アジアで初めて同性カップルの結婚が法的に認められる国となった。施行初日には各地で多くのカップルが婚姻届を出し、大きな話題となった。法制化後に迎えるプライド月間として、今年の祭りはこれまで以上に大きな意味を帯びている。性的指向や性自認にかかわらず誰もが祝える場として、バンコク・プライドは年々規模を広げてきた。
観光と誘致を後押しする多様性
こうした祭りは、タイが掲げるLGBTQ+フレンドリーな観光戦略とも結びついている。プライド期間中は国内外から多くの来訪者が集まり、宿泊や飲食、ナイトライフへの波及も大きい。バンコクは2030年の「ワールドプライド」誘致にも名乗りを上げ、スペインのバルセロナと最終選考を争っている。実現すればアジアで初の開催地となる見通しで、多様性を前面に出すタイの姿勢は、国の魅力づくりと経済の両面で追い風になっている。