バンコク東部プラウェート区のソイ・パッタナーカーン61で、酔ったスリランカ人の男が知人とのトラブルを止めに入った23歳のタイ人男性を刃物で刺し、男性は搬送先の病院で死亡した。男はいったん現場から逃げたが、被害者の友人の通報を受けた警察が、近くの自室に潜んでいたところを取り押さえた。
プラウェート署のトーサポン・アムパイピパットクン署長によると、事件が起きたのは5月29日。スリランカ国籍のアピチェーク・ラチャ容疑者が、被害者の友人に絡んで刃物で襲いかかろうとした。これを止めようと割って入った23歳のタイ人男性が左脇腹を刺され、容疑者はそのまま逃走した。重傷を負った男性は病院へ運ばれたものの、まもなく死亡が確認された。
その後、被害者の友人から「容疑者がソイ・パッタナーカーン76にある自室へ逃げ込んだ」との通報が入り、捜査員が部屋に踏み込んで容疑者の身柄を確保した。容疑者はプラウェート署に引き渡され、取り調べを経て立件される見通しだ。
現場のパッタナーカーン一帯は、バンコク東部のスワンルアンやオンヌットにほど近い住宅地で、コンドミニアムやアパートが立ち並ぶ人口密集エリアである。深夜のソイ(路地)で起きた酔客がらみのいさかいが、刃物を持ち出す事態にまで発展した形だ。
タイでは飲酒をめぐる口論や顔見知り同士のいさかいから死傷者が出る事件が後を絶たない。今回のように、もめ事を収めようと間に入った第三者が巻き込まれてしまうケースもある。友人をかばおうとした若者が命を落とす結果となり、やりきれなさの残る事件となった。
外国籍の人物がタイ国内で重大な事件を起こした場合、刑事裁判で有罪が確定すれば、服役したうえで出入国管理法に基づく国外退去処分や入国禁止リストへの登録の対象となるのが一般的だ。今回の容疑者についても、立件の内容次第で同様の手続きが取られる可能性がある。
タイの殺人発生率は人口10万人あたり2.6件(2024年)で、2021年の1.84件から3年連続で上昇している。世界でも最低水準にある日本の10倍以上にあたる数字だ。警察は容疑者の身柄を確保したうえで、刺殺に至った詳しい経緯を調べている。