日産自動車のタイ法人が、コンパクトSUVの新型「キックスe-POWER」を発売した。デザインを刷新し、運転支援システムのプロパイロットをタイ市場で初めて搭載するなど、装備を大きく強化している。価格は82万9,000バーツから92万9,000バーツ、日本円にしておよそ404万円から452万円である。
価格は約83万〜93万バーツ、発売記念の割引もある
メーカー希望小売価格は82万9,000バーツから92万9,000バーツで、グレードのひとつとして「SV」が用意される。これに加えて、発売を記念した特別価格も設定されており、78万9,900バーツから89万9,900バーツ、日本円でおよそ385万円から438万円で購入できる期間が設けられている。
東南アジア向けの仕様として投入されたモデルで、タイの市場に合わせた内容になっている。
エンジンは発電に徹し、駆動はモーターが担うe-POWER
キックスの心臓部である「e-POWER」は、日産独自の電動パワートレインである。搭載する1,198ccの3気筒エンジンは、タイヤを回すためではなく発電のために使われる。実際に車を走らせるのは交流同期モーターで、最高出力は136馬力、トルクは280ニュートンメートルに達する。
エンジン自体の最高出力は82馬力で、発電した電気はいったん2.03キロワット時のリチウムイオン電池に蓄えられる。駆動を完全にモーターが受け持つため、走りの感覚は電気自動車に近い。一方で外部から充電する必要はなく、給油して走る点はガソリン車と変わらない。
なお、e-POWERはエンジンを積むハイブリッドであり、外部充電するEV(電気自動車)とは仕組みが異なる。タイがEVに出している購入補助の枠組みとは別の位置づけになる。
デザイン刷新とプロパイロットの初搭載
2026年モデルは、前後のデザインがより現代的に改められた。安全装備としては、複数の運転支援機能を束ねた「セーフティシールド360」を備える。
特に注目されるのが、運転支援システムのプロパイロットがタイ市場のキックスに初めて搭載された点である。車線の中央を保つ支援や、前の車との車間を保って追従するクルーズコントロールが使えるようになった。車内には12.3インチのタッチスクリーンを備え、アップルカープレイやアンドロイドオートも無線で接続できる。
車体の大きさは全長4,300ミリ、全幅1,760ミリ、全高1,610ミリで、取り回しのしやすいコンパクトな部類に入る。電動の走りと運転支援を比較的手の届く価格帯にまとめた一台として、タイのクロスオーバー市場に投入された。