タイ・ブリーラム県ノンキー郡にある某寺院の下位僧侶(プラルークワット)が、マッチングアプリでつながった男性とのビデオ通話の中で自慰行為と性行為相手を映す動画を流出させた疑いで、5月25日にノンキー郡の僧職界の幹部、寺院の住職、村長、寺院委員会、ノンキー警察署の代表が現地調査に入った。問題の僧侶は他寺院から約2年前にノンキー郡内の寺院に移ってきた人物で、内部の同僚僧侶や住民の証言によると、知らない男性が代わる代わるクティ(僧房)に出入りし、一部は宿泊、地方への出張時にも男性同伴が常態化していたとされる。寺院側は「本人が地方の用事から戻り次第、事実関係を確認する」「公正のため正式な調査委員会を設置する」との立場を表明している。
「クティに見知らぬ男性が代わる代わる出入り」と住民通報
ことの発端は住民からの通報。ノンキー郡某寺院に住み込む下位僧侶について「ふさわしくない行動が続いている、密かに性交している、知らない男性が代わる代わるクティに出入りしている」との指摘が複数寄せられた。さらにマッチングアプリ上のビデオ通話で、僧侶が自慰行為と性的相手を映す内容が外部に流出する事態となった。
動画は本人と判明、寺院は調査委員会を設置へ
ノンキー郡僧職界の幹部であるプラマハ・アピシット・ウィリヨ氏は5月25日、住職・村長・寺院委員会・ノンキー警察と現地調査に入った。流出動画と本人の照合の結果、「動画に映る人物は問題の僧侶本人で間違いないが、本人への正式な聴取は本人が地方の用事から戻ってからになる」と発表。寺院は事実関係の調査と証拠の精査のため、正式な調査委員会を設置する方針。「告発を受けた僧侶側にも公正な扱いを保証する」との説明が添えられた。
2年前に他寺院から異動、男性同伴の出張も常態化
調査の過程で、寺院内の同僚僧侶が次のような証言を行った。問題の僧侶は他寺院で出家し、約2年前にノンキー郡内の現在の寺院に移ってきた人物。移ってきた直後から「知らない男性が代わる代わるクティに出入りし、何人かは宿泊していた」と。さらに、「僧侶が地方の用事(仏事招請=ギチニモン)で出張する際にも、必ず男性が同行することが多かった」とも証言している。
過去にもコミュニティリーダーに通報、証拠不足で消滅
同僚僧侶によると、過去にも問題の僧侶の行動についてコミュニティリーダーに通報したことがあった。だが、当時は「具体的な証拠がない」として、結局問題は表面化せず消えていったという。今回はマッチングアプリ経由の動画流出という具体的な物的証拠が出てきたことで、ようやく公式な調査に至った経緯となる。
タイ仏教界の倫理規律違反、相次ぐ事案の流れの中で
タイの上座部仏教では、僧侶は戒律(パーラーシカ=最も重い四戒律のうちの第一)によって性的行為を厳格に禁じられている。これに違反した場合、本人は自動的に僧籍を剥奪され、僧侶としての地位を失う。本サイトでも2026年5月にラムプーンの「業修正師」パイサーン氏が性犯罪で起訴された事件、ウドンタニで20年戒律の住職が酒酔いで還俗した事件などを伝えてきた。今回のノンキー寺院の事案も、こうした「タイ仏教界の倫理規律違反」の流れの一つとして注目を集めることになる。
今後の焦点: 還俗手続きと刑事責任の有無
今後の焦点は、(a)正式な調査委員会の結論、(b)還俗手続きが取られるか、(c)動画の拡散経路と関係男性の身元特定、(d)刑事責任(マッチングアプリ経由の不適切な接触に関する関連法令の適用)の有無の4点。タイの社会では僧侶の不品行は宗教的・倫理的に大きな関心を呼ぶテーマで、地元住民・SNS利用者・タイ仏教徒コミュニティの注視が続く事案になる。本サイトでは調査委員会の結論と本人への聴取結果について続報を伝える予定。