タイ警察庁経済犯罪抑止部(ปอศ.)は5月24日、「ビッグジャック777」を名乗って非合法貸金業を運営していたグループの4人(19歳、28歳、44歳、19歳)を逮捕したと発表した。摘発の指揮はターサプーム・ジャールパラート警視長(ผบก.ปอศ.)が執り、グリッド・ウォラタット警視大佐ら部下が容疑者の身柄を確保した。年率3000%(月利約250%)の超高利貸しに加え、借り手への取り立てでは自宅前で大声を出し続ける、名刺をばらまく、貼り紙を貼るなど激しい脅迫を繰り返しており、月間回転資金は1000万バーツを超えていた。警察は大口投資家(指示役)の特定に向けて拡大捜査を進めている。
4人逮捕、19歳から44歳までの若い実行犯
逮捕されたのはタナパット容疑者(19歳)、ワンチャイ容疑者(28歳)、キティポン容疑者(44歳)、ラッパプム容疑者(19歳)の4人。容疑は「無許可で個人消費者金融業を運営した」「法定利率を超える利息を要求した」の2点。実行犯は若い男性で構成されており、現場での取り立ても若い人員が動員されていた構図がうかがえる。
年率3000%、月利約250%の超高利貸し
警察によると、ビッグジャック777の貸付利率は年率3000%にも達していた。月利に換算すれば約250%で、10万バーツ借りれば1か月後には25万バーツの利息が乗る計算。タイの個人消費者金融の上限金利は法律で年率25-28%程度に定められており、年率3000%はその100倍以上に相当する違法な高利率だった。
借り手の自宅前で大声叫び+名刺ばらまきの脅迫取り立て
取り立ては単なる電話督促にとどまらず、借り手の自宅前で大声を出し続ける、家の周辺に名刺をばらまく、ポストや玄関に貼り紙を貼るなど、近隣住民に恥をかかせる手口で行われていた。借り手はストレスから返済を急ぎ、さらなる借入で雪だるま式に債務が膨らむ典型的な高利貸しの罠に陥っていた。タイで近年、こうした「家族・近隣を巻き込む取り立て」が深刻な社会問題になっている。
月間回転資金は1000万バーツ超、指示役の特定へ拡大捜査
警察の調べでは、ビッグジャック777の月間の貸付・回収を合わせた回転資金は1000万バーツ(約4,600万円)を超えていた。実行犯4人だけでこの規模の回転を支えるのは難しく、背後に大口の資金提供者(指示役、เจ้านายใหญ่)がいると警察は見ている。今後、容疑者4人からの供述、銀行口座の取引履歴、貸付台帳の解析を通じて、上位の関係者の特定が進められる見通し。
政府が非合法貸金アプリ取り締まりを強化する流れの中
タイ政府は近頃、非合法貸金業(แอปฯ เงินกู้เถื่อน)の取り締まりを強化しており、5月24日には政府が市民向けに「利息が異常に高い貸付の宣伝に騙されないように」との警告も発出している。今回のビッグジャック777の摘発は、現場で野放しになっていた違法業者を警察が直接捕捉した事例として注目されており、同種の摘発が今後相次ぐ可能性がある。在タイ日本人にも、知人やタイ人配偶者がこうした業者に手を出さないよう、家計の選択肢として正規の銀行融資の利用が呼びかけられている。