タイ・ヤソトーン県ムアン郡コーヌア町のバンドンガラーン寺の境内で5月24日午後2時、ブンバンファイ(伝統ロケット祭)の準備中に大型ロケット「バンファイ」(บั้งไฟ)が爆発した。爆発の衝撃で3人が重傷を負い、寺の周辺に駐めてあった乗用車とオートバイ複数台が損傷した。爆発はバンファイの洗浄作業(火薬の事前準備の工程)の途中で起きたとされ、救急番号1669のヤソトーン担当部署と地元救助団「フック31」が現場に出動。被害者は全身に火傷を負った状態でヤソトーン病院に搬送された。タイ東北部各地で5-6月の伝統ロケット祭シーズンが本格化するなか、今回の事故は祭典準備の各工程での安全管理に改めて警鐘を鳴らした形になった。
(関連記事:ロケット祭りの暴走ロケットが民家の屋根を直撃、ヤソートーン)
5月24日午後2時、バンドンガラーン寺の境内で爆発
事故が起きたのはヤソトーン県ムアン郡コーヌア町(タンボン・コーヌア)にあるバンドンガラーン寺(วัดบ้านดอนกลาง)の境内。5月24日午後2時頃、ブンバンファイ祭の準備のために寺に集まっていた住民が、大型ロケットの「洗浄」作業(火薬を充填する前の清掃工程)を進めていた。その作業の最中に1本のロケットが爆発し、付近にいた3人が重傷を負った。爆発の衝撃で寺の駐車場に止めてあった乗用車・オートバイにも多数の被害が出た。
救助団フック31と救急隊が現場に駆けつけ
通報を受けた救助団「フック31」のボランティアと救急番号1669のヤソトーン担当部署が即座に現場に到着した。3人の被害者は全身に火傷の傷を負っており、応急処置のうえで近隣のヤソトーン病院に搬送された。火傷の範囲と深さは現時点で公表されていないが、現場の救助関係者によれば「重傷」の状態だったという。
「洗浄」工程中の爆発、火薬の安全管理に課題
バンファイの製造工程は、(a)竹や鉄パイプの筒の準備、(b)筒の洗浄(残留物の除去)、(c)火薬の充填、(d)発射台への装填、という流れで進む。今回の事故は(b)の洗浄工程で発生した。理論的には火薬を充填する前なので大規模な爆発は起きにくい段階だが、過去の残留物や近くに置いていた別の火薬に引火した可能性がある。タイ東北部の地方では伝統的にコミュニティ単位でバンファイを手作りしており、安全管理の標準化が不十分なケースが繰り返し指摘されてきた。
ヤソトーンは年間最大のロケット祭の本場
ヤソトーンはタイ東北部(イサーン)で年間最大のブンバンファイ祭(ประเพณีบุญบั้งไฟ)が開催される県として知られる。降雨を祈願する伝統行事として5-6月に各地で大型ロケットが打ち上げられ、ヤソトーン市の中心市街地で開かれる中央イベントには国内外の観光客が集まる。各村単位での準備が4-5月から始まり、今年も既に複数の地区でロケットの製造が進んでいた段階だった。今回の爆発はあくまで準備段階の事故だが、本祭イベント中の事故と合わせれば、毎年同種の事故が複数件報じられている。
本サイトでも報じた過去のヤソトーン関連事故
本サイトでは4月にも「ロケット祭りの暴走ロケットが民家の屋根を直撃」というヤソトーンの事案を伝えている。タイ各地のバンファイ祭関連では、5月にブリーラム県プラコンチャイのバンファイがロケット2本で民家を直撃した事案、ナコンラチャシマ県ブアライでロケット墜落で34歳女性が脚骨折した事案など、5月だけで複数件の事故が報じられた。今回のヤソトーン爆発を受けて、警察と県当局は祭シーズン中の洗浄・装填・移動の各工程で特別な注意を呼びかけている。




