タイの著名な洞窟ダイビング救助隊員、ポンド・チャクリッ・テンタン氏が代表を務める「ダイビング救助隊タイ(Thailand Rescue Diver.)」のチームが、ラオス・サイサンブーン州ロンチェーン町で発生した金鉱山トンネル崩落事故の現場に5月24日午後、入った。崩落事故ではトンネル内で作業中の鉱山労働者7人が外に出られない状態に閉じ込められており、ラオス当局と連携したタイ救助隊が支援に駆けつけた形になる。5月24日午後4時5分に隊員が洞窟内の調査を始め、ポンド氏自身がチームのFacebookページ「ダイビング救助隊タイ」で現場の映像と画像を公開した。公開された映像には、ほぼ匍匐前進でしか進めない極めて狭い通路、人の身長近くまで上がっている水位、足元の不安定な岩盤が映っており、救助活動の難易度の高さがそのまま伝わる内容になっている。
ラオス・サイサンブーン州の金鉱トンネル崩落
事故が起きたのはラオスのサイサンブーン州ロンチェーン町(サイサンブーン州はラオス中部、首都ビエンチャンの東に位置する内陸州)。鉱山労働者が地下のトンネル内で金鉱の採掘作業中だったところ、坑道が崩落した。閉じ込められたのは7人とされ、現時点で全員の安否は確認できていない。ラオス政府当局は事故発生直後から救助に動いたが、現地の救助機材と人員には限りがあり、隣国タイに支援要請を出した経緯がある。
タイ救助隊「Thailand Rescue Diver.」が国境を越えて出動
タイ国内ではポンド・チャクリッ・テンタン氏が率いる「ダイビング救助隊タイ(Thailand Rescue Diver.)」が、洞窟救助の専門チームとして広く知られている。ポンド氏は2018年6月に世界の注目を集めたタイ・チェンライ県のタムルアン洞窟少年サッカーチーム救出作戦にも参加した経歴を持つ、洞窟ダイビングと閉鎖空間救助の経験を積んだ専門家。今回もラオス側からの支援要請を受け、隊員と装備を現地に運び込んだ。
洞窟内は「狭い通路+高水位+ほぼ匍匐前進」
公開された現場映像が見せるのは、救助活動の現実的な厳しさ。トンネルは肩幅をやっと通せるほどの狭さで、人の身長近くまで水が上がっている区間がある。隊員は呼吸装置を装着しながら、両手両足で地面を捉えて慎重に前進する必要がある。万一岩盤が再度崩れた場合、救助隊員も巻き込まれる可能性があるため、進行のペースは慎重に管理されている。
5月24日午後4時5分に内部調査開始
タイ救助隊は5月24日午後4時5分に隊員を洞窟内に派遣し、内部の状況確認を開始した。最初に行うのは閉じ込められている7人の現在位置の把握、生存確認のための音響・光学的なシグナル交換、そして移動経路の安全評価。これらの基礎情報がそろってから、本格的な救出作業に入る段取りになっている。
タムルアン洞窟救出の経験を持つポンド氏が指揮
ポンド氏は2018年のタムルアン洞窟救出ではユース・サッカー選手12人とコーチ1人を9日間の救出作戦で全員生還させたチームに加わっており、その後の世界的な評価を経て、東南アジアの洞窟救助シーンで中心的な役割を担うようになった。今回のラオス・サイサンブーン州の金鉱救助でも、地理的に近く、地質的にも類似性のあるエリアでの活動であるため、ポンド氏のチームの経験が活かされる場面になりそうだ。今後の救助の進展は本サイトでも続報を伝える予定。




