バンコクのトンロー地区で、モンゴル国籍の外国人男性が4月18日にレストランで女性バリスタからiPhone 17を「電話を忘れた」と言って借り、食事代と一緒に持ち逃げする事件が発生していたことが2026年5月2日に明らかになった。被害者はFacebookページ「Sai Mai Tong Rod」を通じて被害を訴え、捜査の結果、容疑者は2年以上ビザが切れた状態でタイに滞在し、同様の手口で複数件の窃盗を繰り返していたことも判明した。
事件は2026年4月18日12時20分頃、トンロー地区のレストランで起きた。色白のアジア系外国人男性が来店し、午後3時近くまで通常の客として食事を楽しんでいたという。15時10分に男性は会計カウンターにいたパリチャートさん(27歳、バリスタ)に近づき、「自分の電話を忘れた、ちょっと貸してほしい」と頼んだ。彼女が善意でiPhone 17を手渡した直後、男性はそのまま店外に走り去り、食事代も支払わずに姿を消した。被害額はiPhone 17本体と食事代を合わせて数万バーツとなる。
警察と支援ページ「Sai Mai Tong Rod」が容疑者の身元を調査した結果、モンゴル国籍の同男性はタイ滞在ビザが2年以上切れた状態でオーバーステイ中であり、同じ「電話を借りて逃走する」手口で複数の店舗・個人を狙った前歴があると判明した。タイの入国管理局も身元情報を共有し、追跡を続けている。
トンローはバンコク中心部の高級住宅・飲食店密集地区で、日本人駐在員と日本食レストラン・カフェが集中するエリアとして知られる。在住日本人にとっては日常生活の延長線上で接する場所であり、今回のような外国人犯罪の発生はサービス業従事者の警戒だけでなく、客側にも「店員の善意を装った犯罪」を意識させる事案となる。
タイのスマートフォン窃盗事件では、近年「電話を貸してほしい」「写真を撮ってほしい」と話しかけて隙を作る手口が複数報告されている。タイ警察と観光警察は、見知らぬ人物からのスマートフォン貸与依頼には応じない、もし渡す場合でもストラップやケーブル付きで自分のそばから離さない、という基本対策を呼びかけている。
オーバーステイの外国人犯罪については、タイ入国管理局が定期的に取り締まりを強化しているが、観光ビザの偽装更新や陸路越境を繰り返す手口で滞留が長引くケースが続いている。今回の容疑者の捜査結果次第では、ビザ管理体制への議論が再燃する可能性もある。