タイの主要航空会社5社(Bangkok Airways、Thai AirAsia、Thai VietJet Air、Nok Air、Thai Lion Air)の幹部が、ピパット・ラッタキッチプラカン運輸大臣と緊急会合を開き、ジェット燃料費の急騰で経営が圧迫されているとして政府支援を緊急要請したことが2026年5月2日付The Thaigerの報道で明らかになった。会合では運輸省と航空当局の関係者も同席し、援助措置の検討に入ることで合意した。
世界のジェット燃料価格は、2026年2月の米イラン対立を発端としたホルムズ海峡封鎖で精製出力が落ち込み、4月にはUSD 200/バレル相当を一時的に超える水準まで上昇した。Bangkok Airwaysのプッティポン・プラサートトン-オソート社長は「燃料コストの30%をUSD 80-90/バレルでヘッジしていたが、現在は170-180/バレル前後で推移しており、ヘッジでカバーしきれなくなった」と打ち明け、「危機が長引けば2026年の事業目標を見直す必要がある」と踏み込んだ。
タイ国際航空(TG)は5月の運航スケジュールで46便・20路線以上の運休または減便を実施し、5月1日以降発券分の燃油サーチャージをほぼ倍増させた。5月の大規模減便は4月17日に既に発表済みで、成田~バンコク線も従来の1日3便から2便に縮小されている。
Thai AirAsia(FD)は夏季スケジュールで複数路線の一時削減を確定済み。6月から成田/ドンムアンと新千歳/チェンマイの台湾経由便を週4便から週2便に半減するほか、スワンナプーム~ナラティワートを4月21日から10月24日まで、ドンムアン~西安を5月11日から10月23日まで運休する。Thai AirAsia X(XJ)も4月25日に成田・関西路線を含む大規模調整を発表済みだ。
複合的に見ると、タイ系航空会社は2026年5月から夏季にかけて路線縮小・サーチャージ倍増・予約受付停止が同時並行で進行する。日本-タイ路線では、Thai航空・Thai AirAsia・ZIPAIR・JAL・ANAが残存便を運航するが、座席供給の縮小で航空券価格は明確に上振れる見通しだ。
在タイ日本人にとっては、夏休みの帰国便と短期出張便の確保が最も逼迫する時期に入っている。すでに予約済みのチケットが一方的に運航日変更される可能性もあるため、各社のメッセージを定期的に確認し、必要なら早めの代替予約を検討したい。政府の援助措置の中身(補助金・規制緩和・ハブ空港使用料減免など)が次の焦点となる。