いびきは熟睡のサインではなく、脳卒中の前兆かもしれない。khaosodが5月1日、台湾の耳鼻咽喉科医師の警告を引用し、慢性的にいびきをかく人の約半数に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA: Obstructive Sleep Apnea)が併発していると報じた。OSAは夜間の慢性的酸素不足を引き起こし、肥満・糖尿病・高血圧・脳卒中の4つの慢性疾患の引き金になる。タイでも患者数は年平均3%ずつ増加している。
タイ国内の研究データを見ると、慣性的にいびきをかく成人は約26.4%、職業によっては軍人で58.5%まで上昇する。OSAの有病率は中央タイの医療センター調査で約11.4%、性差は男性60.5%対女性25.1%と男性に偏る。一方で、タイ・日本・韓国・シンガポール・豪州の5か国意識調査ではOSAという病名を知っている人がわずか9%にとどまり、認知度の低さが診断遅延の主因とされている。
khaosodが紹介した症例は、脳卒中で入院した患者が事前に長年いびきをかいていたが「熟睡している証拠」と本人も家族も誤解し、医師に相談しなかったケース。発症後のリハビリ期間中、病室でのいびきが他の患者に迷惑だったことから耳鼻科に紹介され、ようやく重症のOSAと判明した。患者は脳卒中になる前から「三高」(高血圧・高脂血症・高血糖)と体重超過を抱えていた。
OSAの典型的な構図は、首回りの脂肪・舌根の沈下・小さな下顎などで気道が物理的に閉塞し、夜間に何度も息が止まる→血中酸素が下がる→交感神経が覚醒する→深い眠りに入れない、というもの。本人は「ぐっすり眠った」と感じても、実は短い覚醒を一晩中繰り返している。日中の眠気・午前中の頭痛・集中力低下・運転中の居眠りなどが代表的なサインだ。
在タイの40〜50代男性で、夜のいびきが大きい、日中に眠気がある、血圧や血糖値が高めだ、のいずれかが当てはまる場合は、放置せず耳鼻咽喉科または睡眠専門外来で検査を受けたい。タイの大手私立病院には睡眠検査ラボを併設するところがあり、英語対応のクリニックも揃っている。治療はCPAP(持続陽圧呼吸療法)の機器装着が標準で、適応すれば心血管疾患のリスク低減効果は明確に確認されている。
肥満・運動不足・寝酒・喫煙はいずれもOSAを悪化させる。同時にいびきを軽くする代表的な方法は、減量・側臥位(横向き寝)・寝る前のアルコール回避の3つ。脳卒中・糖尿病の手前で気付ければ、症状はかなり巻き戻せる。「うるさいと言われるいびき」を年齢のせいにして放置するのが、一番もったいない。