パトゥムターニー県クロンルアン郡クロンヌン地区のコンドミニアム前で2026年4月30日未明、22歳の男が運転するBMWがフードデリバリー配達員のバイクに後方から追突し、27歳のライダーが10メートル以上飛ばされて即死する事故が起きた。被害者は事故直前にレストランから配達を終えて帰る途中で、バンコクナンバーのBMWが追い越し直後に直撃したという。
警察にはクロンルアン署のタツナ・ウドンポーン捜査警部が現場入りし、交通警察、タマサート大学チャレムプラキアット病院の法医、パォテックトゥン財団のボランティアと合同で調査した。死亡したアロンコーン氏(27歳)はフードデリバリーの制服を着たまま路上に倒れており、乗っていたのはナンバーなしのHondaジョルノ(グレー)で、後部が原型を留めないほど大破していた。
容疑のBMW(バンコクナンバー、グレー)は左前部が大破しフロントガラスが粉々になっていた。運転していたのはプーミン氏(22歳)で、現場でメディアの取材には一切応じず「警察にだけ供述する」と主張した。一般的にタイの交通事故で外車運転手がメディア対応を拒否するケースは、保険対応や弁護士相談の前提を考慮した結果である一方、被害者遺族や世論からは「逃げているように映る」と批判されがちだ。
事故の瞬間を目撃した被害者の友人は、「BMWは一度バイクを追い越して前に出た直後に、急に減速・側面寄りせずに直接後部から追突してきた。ライダーが避ける時間はなかった」と語った。同様の「追い越し直後に追突」型事故はタイ全土で頻発しており、特に深夜のバンコク郊外(パトゥムターニー・ノンタブリ・サムットプラカン)の幹線道路で配達員が巻き込まれる事例が多い。
フードデリバリー配達員(ライダー)は4月29日のメーデー労働シンポジウムでも「1配送20バーツに激減」「気温40度超の屋外と大気汚染で削られる」と問題提起されたばかりだ。深夜まで配送回数を稼がねば生計が立たない構造が、こうした事故の背景にある。在タイ日本人の運転者にとっても、ライダーがクラクションや車間距離を読みにくい状況で配送している現実を踏まえ、追い越しはバイクを完全にミラーで確認した後に余裕を持つ運転が事故防止の基本となる。