タイ運輸省と空港局が2026年4月29日、空港内および航空機内で「爆弾」「銃」「武器」「強盗」「テロ」「重篤な感染症」といった単語をジョークでも口にすると、2015年制定の航空関連犯罪法に基づき重い罰則が科されると改めて警告した。日本人旅行者の間でも軽口として出やすい言葉だが、タイ国内では刑事事件として扱われる。
罰則は2段階に分かれる。1つ目は「虚偽の情報で他人を驚かせた」段階で、懲役は最長5年、罰金は最大200,000バーツ。これは「鞄に爆弾が入っている」「銃を持っている」といった発言を冗談で口走った場合に適用される。
もう1つは「航空機サービス中に安全を脅かす行為」段階で、懲役5〜10年と罰金200,000〜600,000バーツが科される。地上勤務員・客室乗務員への発言、機内での騒ぎなどが想定されている。どちらも「懲役」「罰金」「両方」を裁判官が選択できる仕組みだ。
発表は運輸副大臣のパッタラポン・パッタラパシット氏と空港局長のダナイ・ルアンソーン氏が連名で行った。タイは観光業の本格回復が進む時期で、空港利用者の急増に合わせ、不用意な発言による拘束・搭乗拒否のトラブルを未然に防ぎたい狙いがある。
実務面では、空港のセキュリティチェックや搭乗待機列、機内サービスのいずれの段階でも、客室乗務員や地上係員が該当単語を聞き取った時点で空港警察に通報する運用となっている。日本国内の感覚で「冗談」のつもりで発した言葉が、タイでは即座に身柄拘束と取り調べの対象になり得る。
特に注意したいのは、英語・日本語で発言した場合も同じ扱いになる点だ。「俺の鞄、爆弾入ってるんじゃないか」「テロでも起きないかな」といった類のフレーズはタイのスタッフでも単語単位で聞き取れるため、機内・空港では一切口にしないのが無難である。冗談で口走った日本人が空港警察に連れて行かれる事例は過去にも報告されており、家族・知人連れの旅行ほどリスクが高い。