タイ・バンコク在住のLeeさんという女性が、本物の蚊の死骸を樹脂に閉じ込めた蓄光キーホルダーを手作りで販売し、10,000バーツ(約44,000円)を売り上げた。Leeさんが自分で制作風景や経緯を投稿しているTikTokで話題になり、SNSで「タイならでは」「ぶっ飛んでる」とコメントが集まり拡散している。
きっかけは「好奇心」だったとLeeさんはTikTokで語っている。Leeさんは普段から蚊の死骸を集める奇妙な趣味を続けていたが、ある時その死骸を樹脂に閉じ込めて蓄光素材と組み合わせたらキーホルダーになるのでは、と思いついた。試作品を写真でTikTokに投稿したところ「欲しい」というコメントが続々と寄せられ、そこから本格的なハンドメイド販売に転換した。
商品は1点ずつ手作りで、蓄光剤が含まれているため暗闇で光る仕組みになっている。中に閉じ込められているのは家の中にいるような普通の蚊で、Leeさん本人が手で叩いた個体を丁寧に整えて使う。1点1点で配置や形が違うため、購入者からは「世界に1つだけのお守り」のような扱いを受けているという。
タイは年中蚊が多く、デング熱や日本脳炎を媒介する害虫として長らく厄介者扱いされてきた背景がある。それを「素材」として商品に変える発想自体がブラックユーモアで、英語圏のメディアも「Buzz to Bucks(ぶーんからお金へ)」のような言葉遊びを使って報じた。タイのSNS文化は、こうした「常識から半歩外れた発想」を一気にバズに変える土壌が強い。
タイ国内では過去にも、虫の死骸や抜け殻を樹脂で固めたアクセサリーといったSNS発のハンドメイド商品が定期的に話題になってきた。デジタルマーケットプレイスとTikTokのバズが組み合わさることで、奇抜な発想が小さな起業に直結する流れがここ数年で太くなっている。
10,000バーツ(約44,000円)という数字自体は大きくないが、家で潰した蚊から出発して個人ブランド化までこぎつけた点が共感を呼んでいる。「日本でこれを売ろうとすると衛生面でまず止まる」という反応もタイのコメント欄で見られ、タイ社会の「とりあえずやってみる」緩さが、こういう一風変わった起業を後押ししている。