タイ最大級の財閥CPグループと日本のセガが、ASEAN娯楽事業の機会を共同で探索するため覚書(MoU)を締結したと2026年4月27日に発表した。CPグループ会長のスーパキット・チアラワノン氏とセガCEOの里見治紀氏が東京のセガ本社で署名し、セガが世界展開しているIPをCPの流通ネットワークに乗せてASEAN市場で動かす方針が固まった。
提携の中心はIPの活用である。セガはソニック・ザ・ヘッジホッグやアングリーバードなど、世界規模のキャラクターとコンテンツを多数抱えており、これをCPグループのアジア・ASEAN事業基盤と接続する。具体的にはコンテンツ開発、ライセンス供与、流通ネットワーク展開の3領域で協業を進める計画だ。
CP側で活用される基盤の中心は子会社のTrueVisionsである。同社はタイのペイテレビとOTTサービスを運営しており、本提携を通じて日本発IPの番組編成と独自コンテンツ制作の両面を強化する見込み。タイの視聴者だけでなく、CPの域内事業を通じてベトナムやインドネシアなど他のASEAN諸国の視聴者にも届ける構想が語られている。
注目されるのはASEAN市場専用の新規IPの共同開発である。セガはこれまで日本市場で蓄積した制作ノウハウを、CPグループ側のローカル知見と組み合わせて、東南アジアの嗜好や言語環境に合わせた新コンテンツを生み出す方針。発表時点では具体的な投資規模や期間は明示されていないが、両社のリリースには「中長期的な戦略提携」と位置づけられる文言が並んでいる。
日本人の感覚では、セガといえばゲーム機やアーケードのイメージが強いが、近年はソニック実写映画のヒットなどでIPホルダーとしての存在感が増している。タイ最大手のCPグループと組むことで、ASEANの市場にどこまで日本発のキャラクターを浸透させられるかが試金石となる。タイ国内ではすでにCPの流通網を通じて日本ブランドの食品や雑貨が広く展開されており、娯楽分野での補完がどこまで進むかが今後の見どころである。