タイ・パトゥムタニ県のある集落で、8歳の少女が母親の知人の家に住む14歳の少年に「自転車を一緒に探そう」と誘い出され、村の裏手の森で性的虐待を受ける事件が起きた。加害者の少年は少年院から出所して間もない時期で、被害者の母親は「少年院から戻ったばかりだから悪いことはしないだろう」と信用して送り出してしまったと涙ながらに証言している。母親は2026年4月28日、警察に被害届を提出した。
事件は4月26日に発生したと母親が説明する。同日19時頃、少女は近所のコンビニまで自転車で菓子を買いに出かけた。買い物を終えて店を出ると自転車が消えており、家に戻ってその旨を母親に伝えた。20時頃、家族の知人(母の夫の友人)の息子で14歳の少年「トン君(仮名)」が訪ねてきて、少女に「自転車を一緒に探しに行こう」と声をかけたという。
母親は、トン君が少年院から出所したばかりであることは知っていたが、「再び問題を起こすことはないだろう」と判断し、少女と外出させた。しばらくして、母親の息子が顔を強張らせて駆け戻り、「トンが妹を…」と告げた。母親はすぐに少女を保護したが、少女は精神的に大きなショックを受けた状態だったという。
地元警察は被害届を受理し、加害者の身元と当日の動線、現場である村の裏手の森を確認した。タイの少年法では14歳以下の刑事責任能力は限定的だが、少年院や保護観察の対象になるケースは多い。今回の少年は出所後間もない再犯にあたる可能性が高く、家族保護局と少年裁判所が関与する流れになる見通しだ。
タイの地方では、隣近所や友人の子どもとの距離が物理的に近く、子どもを単独で外出させる場面が日常的に発生する。日本人の感覚では「14歳の知り合いの子に8歳を任せる」ことに警戒感が走る場面でも、タイの集落では平常運転として続いてきた習慣でもある。今回の事件は、加害者の経歴を踏まえて過信せず、子どもを外に出す際は同性の家族や複数人で動かすという、当たり前の防御をどこまで徹底できるかを社会に問いかけている。