ラヨーン県で妊娠末期の女性が、医者の定期検診帰りに路上で激しい陣痛に襲われ、自力で女児を出産した。駆け付けた通行人が日傘を差しかけ、救助隊が到着する前から見知らぬ人の助けを受ける心温まる場面があった。母子ともに無事である。
Khaosodによると、事案発生は4月19日昼頃。ラヨーン県ムアン郡フアイポーン地区の道路「フアイポーン・ノーンボン線」、タイ・ドイツ交差路付近である。サイアム・ラヨーン救助隊が通報を受け、シリキット女王陛下記念病院に応援要請をかけた。
現場にいたのは20代の女性と、生まれたばかりの女児。女性は猛暑の中で路上に座り込み、新生児を腕に抱いていた。通りかかったドライバー数人が車を止め、日傘を掲げて母子を日差しから守りながら、救助隊の到着を待った。
駆け付けた医療スタッフは新生児の体を清拭し、母親の状態を確認した。衣服を交換してから救急車に乗せ、病院へ搬送した。病院到着時点で母子ともに健康状態は安定しており、看護師の厳重監視の下で経過観察に入った。
母親への聞き取りで事情が明らかになった。女性は2人目の妊娠で予定日を過ぎていた。午前中にバイクで医者の定期検診に行き、帰路の途中で激しい陣痛が始まった。バイクで走り続けられず、路上に停車して数分後に自力で出産した。
タイの地方では妊婦がバイクで移動するのは珍しくない。自家用車を持たない家庭では、産婦人科への通院もバイク頼みである。今回の出産は母子の健康面では幸運だったが、本来は救急車搬送が安全策である。
見知らぬ通行人が日傘で日差しを遮る姿がタイらしく、バイラルに値するSNS話題となった。救助隊到着前の「市民の助け合い」が都市部と地方の共通したコミュニティ感覚を示す美談として共有されている。


