タイ南部チュンポン県のパクナムタコ河口で、魚などの海洋生物が大量に死に、海水が変色しているのが見つかった。当局の暫定的な調べでは、プランクトンの異常発生と、それに伴う水中の酸素不足が原因とみられている。スチャート天然資源環境相は海洋沿岸資源局に対し、原因の究明を急ぐよう指示した。
何が起きたのか
異変が報告されたのは6月2日。パクナムタコ河口の周辺で、多数の魚が死んで浮かび、海の色が変わっているのが確認された。暫定的な分析では、プランクトンが大量に発生し、水中の溶存酸素が異常に低い状態になっていたという。
天然資源環境省はただちに調査に乗り出した。スチャート天然資源環境相が海洋沿岸資源局に指示し、水質の調査や原因の特定を進めている。チュンポンはタイ湾に面した漁業の盛んな県で、沿岸の環境変化は地元の暮らしに直結する。
なぜプランクトンで魚が死ぬのか
プランクトンの異常発生は、タイ語で「水の色が変わる現象」とも呼ばれ、海や河口でしばしば起きる。生活排水や農地からの排水などで栄養分が増えすぎた水中で、植物プランクトンが一気に増殖し、海面が緑や茶色、時に赤などに染まる。
問題は、増えたプランクトンが死んで分解される過程にある。大量の有機物を微生物が分解する際に水中の酸素が使われ、魚やエビなどが呼吸できなくなって死んでしまう。今回のチュンポンのケースも、こうした酸素不足が大量死を招いたとみられている。
毒性プランクトンと魚介類の安全
河口や沿岸でのプランクトンの異常発生は、養殖や沿岸漁業に打撃を与えることがある。魚介類が死ねば漁師の収入は落ち込み、変色した海水は観光地の印象にも響く。プランクトンの種類によっては毒性を持つものもあり、人や魚介類への影響を見極めるためにも、原因の特定が重要になる。
タイ湾の沿岸では、雨季の前後や水温が上がる時期に、こうした現象が繰り返し起きてきた。背景には沿岸開発や排水による栄養分の流入があるとも指摘される。当局の調査結果を待つとともに、海の変色や魚の死がいを見かけた場合は、むやみに魚介類を採って口にしないといった注意も必要になる。