バンコクで、20歳の女性が電話での性的な要求を断ったところ、相手の元同級生の男が家族を連れて押しかけ、女性と交際相手が暴行を受けたとされる事件が起きた。男側はナイフや拳銃を持ち出して脅したといい、女性は被害者支援団体「サイマイ・サバイブ」に保護を求めた。本記事の執筆時点で、男側からの説明は確認されていない。
女性の訴えによると、発端は6月1日。小学校時代の元同級生だった男から、電話で性的な行為を求められた。女性が断ったあとも男は連絡を続け、ビデオ通話で自分の様子を見るよう求めてきたという。これを知った女性の交際相手が男に抗議したところ、男は直接会うことに応じた。
ところが約束の場に、男は母親と義理の父を伴って現れた。女性によると、男はナイフを持ち出して交際相手に決闘を迫り、男の母親は交際相手の頭に拳銃を向けたという。一行は交際相手に暴行を加え、止めに入った女性も負傷した。男はバイクで立ち去る際、2人を撃つと脅したとされる。
現場はバンコクのチョークチャイ署管内。女性は母親と交際相手とともに、サイマイ・サバイブ財団の代表エカポップ氏のもとを訪れ、保護を求めた。エカポップ氏は警察への働きかけに協力すると約束し、女性側が気にしていた男の家族との個人的なつながりについては否定した。
サイマイ・サバイブは、事件や事故の被害者を支援するタイの民間団体として知られる。代表のエカポップ氏はSNSでの発信力を生かし、警察やメディアと連携しながら、立場の弱い被害者の救済にあたってきた。被害者が支援団体を頼るのは、当事者だけでは警察を動かしにくい、報復が怖いといった事情があるためだ。
たとえ個人間のもめ事が発端であっても、刃物や銃を持ち出して相手を脅したり暴行したりすれば、それ自体が重い犯罪にあたる。今回のように、私的なトラブルが一方的な暴力や脅迫にエスカレートする例は後を絶たない。被害を一人で抱え込まず、警察や支援団体に早めに相談することの大切さを、改めて示す出来事といえる。