パタヤ警察官による大麻店オーナー射殺事件で、容疑者への公職解任(懲戒免職の先行処分)が正式に署名された。チョンブリー県警察本部長ポンパン・ウォンマニーテート大佐が19日昼、命令118/2569号に署名し、ジーラサク・シーカタナーム副警部補を公務から外した。
対象はパタヤ市警察署捜査部副官のジーラサク容疑者(54)。4月19日未明の発砲事件で、ウォーキングストリートの大麻店オーナー(41)を射殺した人物である。Khaosodが入手した文書によると、懲戒処分は「重大な規律違反」として調査委員会の設置と並行して進められる。
立件された刑事罪状は5つに上る。故意殺人、殺人未遂、無許可拳銃所持、公共の場での拳銃携帯(正当な理由なし)、公共の場での発砲である。いずれも実刑の重い刑法犯罪で、有罪なら数十年の禁錮刑が想定される。
懲戒免職の根拠はタイ国家警察「公務員の出任停止と解任に関する規則」(2547年=2004年制定)第3条1項である。警察官が「犯罪容疑で取り調べ対象になった場合」または「品行や行動が信頼に値しない状況」に該当する場合、本人を公務から先行して外せる規定である。
ポンパン本部長は署名理由として「警察官は本来、犯罪の予防と抑制を担う立場である。その警察官自身が犯罪容疑者となれば、国民の信頼と警察組織のイメージに重大な影響を与える」と明示した。規律調査には時間がかかるため、その間の職務継続は公益に反するとの判断が背景にある。
タイの警察規律手続きでは、容疑発覚から先行解任までには通常数週間かかることが多い。今回のケースは事件発生から半日余りで解任処分が決定されており、世論とメディアの関心を強く意識したスピード決裁と評価できる。
タイではこれまでも警察官の飲酒と銃犯罪が繰り返し問題視されており、2022年ノンブアランプー事件以降、警察庁は内部規律の強化を進めてきた。今回のスピード処分は国民の信頼回復策の一環でもあるが、現場の警察官の飲酒と銃管理の慣行を根本から改められるかは、今後の捜査と立件状況が問う形となる。