DSI(特別捜査局)は、スラタニ県で石油消失事件の舞台になっている倉庫について、2月に210万リットル販売していたものが、3月には40万リットルへ落ち込んでいたと発表した。燃料不足がもっとも深刻化した時期と重なっており、組織的な買い占めの疑いが強まっている。
4月18日、DSI消費者保護事件課のウォラナン・シーラム課長(DSI報道官)が明らかにした。特別案件委員会は石油備蓄に関する本件を特別案件第59/2026号として正式に受理している。
ウォラナン課長によれば、スラタニ県の石油倉庫では、2月の販売量は210万リットルだった。ところが3月になると40万リットルまで急落した。減少率はおよそ8割で、市中の燃料不足やスタンドの給油制限が拡大していた時期とそのまま重なる。需要が逼迫しているときに出荷を絞るのは、価格が高くなるタイミングで売り抜ける目的とみて、DSIは立件方針を固めた。
DSIは4月17日に商務省エネルギー事業局の幹部と面会し、石油取引の詳細な資料を受け取った。週明け4月20日にはスラタニ県警察本部に出向き、同県警が先に立件していた石油倉庫会社の案件について、DSIへの移管を協議する。さらに8社の船会社を順次召喚し、石油運送の伝票と事業許可について事情を聞く方針である。
今回の捜査は、DSIが石油消失6000万リットルで船舶8社を捜査の続報にあたる。これまでの調査で、倉庫からタンカーを経由して海上に運ばれた燃料が、96回にわたって小型船に積み替えられていたことや、AIS(船舶自動識別装置)を切って航行した船の存在も明らかになっている。関連する海上の浮遊燃料については、【続報】海上に790万リットルの燃料浮遊、トラック662台が配送先を偽装でも報じた。
タイでは中東情勢の緊張で原油相場が不安定になり、3月以降は燃料の買い占めと横流しが相次いで摘発されている。PTTが2300億バーツを自己負担して消費者価格を抑えていたさなかに、大手倉庫会社が逆に高値で売り抜ける準備をしていた疑いが浮上した。国家的な燃料危機のど真ん中で、倉庫に在庫を眠らせて待つ戦略の代償は重い。




