イスラム教の祝祭ハリラヤの連休に合わせ、タイ南部とマレーシアを結ぶ国境の検問所が大混雑した。マレーシアから訪れた数千人規模の観光客が長い行列に巻き込まれ、検問所が閉まる前に渡りきれず、国境で一晩を明かした人もいたという。タイ南部の観光業界は、入国審査や通関の手続きを円滑にするよう当局に求めている。
連休で押し寄せたマレーシア人観光客
混雑が起きたのは、タイ南部ソンクラー県のマレーシアとの国境検問所だ。イスラム教徒が多いマレーシアでは、ハリラヤは家族や親族と過ごす大切な祝祭で、連休には国外へ旅行に出かける人も多い。隣接するタイ南部は、買い物や食事、レジャーを手軽に楽しめる旅行先として人気が高い。国境の街ハートヤイ(ハジャイ)は、マレーシア人にとって週末や連休の定番の行き先として知られ、この時期は多くの人が陸路で国境を越えてくる。マレーシアからの旅行者は、人数の面でタイを訪れる外国人観光客の最大級の客層であり、今回も数千人規模が押し寄せて、検問所の処理能力を上回った。
国境で一夜を過ごす人も
大勢が一度に集まったことで、入国審査や通関の窓口には長い行列ができた。手続きに時間がかかり、検問所の営業時間内に渡りきれなかった人のなかには、やむをえず国境で一晩を明かした人もいたという。せっかくの連休旅行の出ばなをくじかれる形となり、利用者からは不満の声も上がった。猛暑のなかでの長時間の待機は、体力的な負担も大きく、小さな子どもや高齢者を連れた家族には特につらい。日帰りや短期の予定で来た人にとっては、待ち時間がそのまま旅行の時間を削ることにもなる。
観光業界が手続きの改善を要望
事態を受けて、タイ南部のホテル業界などは、入国審査や通関をもっと円滑に進められるよう当局に改善を求めている。マレーシアからの観光客は、南部の観光や小売にとって欠かせない存在で、国境での待ち時間が長引けば足が遠のきかねない。国境の混雑は連休のたびに繰り返される長年の課題でもある。審査ブースや人員の増強、自動化ゲートの導入といった対応が求められており、スムーズに迎え入れる体制づくりが、南部経済にとっても重要になっている。タイ政府は外国人観光客の誘致に力を入れており、入り口でのつまずきは、国全体の観光戦略にも水を差しかねない。