法務省は2026年4月16日、燃料の横流し・買い占め問題に関する合同捜査の最新成果を発表した。タンクローリー662台が配送先を偽り計210万リットルを横流ししていたほか、海上では790万リットルの燃料が値上がり待ちの状態で漂流していた。法務大臣・エネルギー大臣・DSI長官・海軍参謀長が出席した大規模な記者会見で明らかにされた。
2つの不正の全容
一つ目は陸上の横流しだ。タンクローリー662台が合計210万リットルを輸送したが、所定の配送先に届けず別の場所へ横流ししていた。ルートを外れて走行する車両も確認された。配送先偽装のために請求書や書類が改ざんされており、組織的な関与が疑われている。
二つ目は海上備蓄だ。790万リットルの燃料が船舶に積まれたまま海上を漂い、6バーツの一斉値上げが実施されるタイミングで一斉に陸揚げして転売差益を得る算段だった。タイ国内に供給されていれば危機の一部を緩和できたはずの燃料が、人為的に手控えられていた。
捜査の根拠と体制
3月20日付の首相令第3号に基づく合同捜査で、法務省がDSI(特別捜査局)と海上保安機構(CISA、ศรชล.)を統括している。水上警察、海軍、関税局が連携して証拠収集と逮捕状請求を進めている。
PTTが2,300億バーツのコストを自社負担して国内価格を抑えている裏側で、流通の上流から海上に至るまで組織的な不正が横行していた構図が明確になった。
処分の方針
当局は関連業者の洗い出しを続けており、禁錮刑を含む厳罰の適用と損害賠償請求を準備している。物品・サービス価格法違反(最大懲役7年)のほか、詐欺・文書偽造・共謀の罪が適用される見通しだ。
燃料危機が国民生活を直撃するなかで、利益目的の組織的な供給妨害が行われていた実態が次々と明るみになっており、アヌティン政権への批判も高まっている。


